ビンテージガラスという宝石達の小さな小さな展覧会
昨年の暮れ、北欧ビンテージガラスを大切に大切にコレクトしていた方から譲り受けた、数百点のガラス器達がインプションにあります。 なかなか時間が取れず、この4月まで倉庫に眠ったまま・・・ この器達をお譲りいただいた時、これほどの数があるなら店舗にいっせいに並べたらどんなにきれいだろうと今回の企画を思いつき、やっと展示する機会が得られました。 アイテムはほとんどがイッタラやヌータヤルヴィといったフィンランドのビンテージ品。 その大半がマウスブローによる製造の物でガラス表面のゆらぎなどがあり、無機質のガラスなのに温かみある温度が感じられる作品ばかりです。 プレスガラスの物でも古いガラス製品の独特な未精緻さが味となっています。 またレッド・コバルト・ターコイズ・グリーン・オリーブ・アンバー・グレー・ホワイト・クリア・パープルなどなど、宝石のように美しい色彩は見ているだけでも嬉しくなることと思います。ガラスなのに温度が感じられる森と湖の国の工芸品
イッタラは1881年、ヌータヤルヴィは1793年からの歴史あるメーカー。 この2つのメーカー、特にヌータヤルヴィにおいては1950年代のブームに多大な影響を及ぼした人物がアートディレクターとなったカイ・フランクです。 彼の手掛ける作品は個性的なものではなく、人々の暮らしの中に溶け込むよう細部のディティールを考察していくといったもので、その普遍性が長く愛される要素のようです。 とはいえ現在の私達が見て、手に取る彼の古い作品は薄く儚げな繊細さや大胆なデザインの物も多く、その存在感に魅了される作品が多いような気がします。 デザインというものが飽和状態である現代においてはカイ・フランクがデザインしたような無駄の無さが新しいデザインとして感じられるのかもしれません。 カイ・フランクの登場から後、オイヴァ・トイッカやアルヴァ&アイノ・アアルト、ティモ・サルパネヴァ、タピオ・ウィルカラ、サーラ・ホペア、エルッキ・ヴェサントなど数多くのデザイナーがヌータヤルヴィやイッタラの作品を手掛けていきます。 彼らの作品もカイ・フランク同様に普遍性の中に個性が現れており、長く使っても飽きの来ないデザインばかりです。 アアルトやオイヴァ・トイッカの作品は今回少ないのですがその他の上記デザイナー作品は多数展示されます。 デザイナー毎に並べる位置を変えて陳列しようと思っていますので、自分好みのデザイナーを発見できるのではないでしょうか。 この機会にフィンランドの巨匠達が作り上げたゆらぎある工芸品をお楽しみいただければ嬉しいです。 (私共の知識不足があるのでメーカーやデザイナーなど若干間違えてしまっている物もあると思いますがご了承くださいませ。) インプションは6店舗あるのでいつもはすぐに各店に振り分けてしまいますが、今回は期間中のみ祖師ヶ谷大蔵店で小さな展覧会としてイベントのようにしてみたいと思います。 宝石のようにきれいなビンテージガラス300点以上が一同に会する景色は絶景かと思います。 GW中にお時間があれば是非ともお寄りください。 今回のアイテム達は会期中は祖師ヶ谷大蔵店での展示・販売となり、会期後に各店からオンラインショップに掲載していきます。 遠方のお客様は申し訳ありませんが少々お待ちくださいませ。 そしてこの度お譲りいただきましたK様にお礼を言わなくてはなりません。 ありがとうございました。 そしてお店に並べるまでに途方もない時間が掛かってしまい本当に申し訳ありませんでした。wrote by インプションで歳が上から2番目のおじさん
*4月22日、オイヴァ・トイッカ氏がご逝去されました。
謹んでお悔やみ申し上げます。
バードが大好きでした。