ハーマンミラー Herman Miller イームズ Eames タンデムシーティング エアポートベンチ & シェルチェア スタッキングベース ~ パブリックスペースから来たイームズ

UPDATE: STAFF:ユキナ
ハーマンミラー Herman Miller イームズ Eames タンデムシーティング エアポートベンチ & シェルチェア スタッキングベース ~ パブリックスペースから来たイームズ

ハーマンミラー Herman Miller イームズ Eames タンデムシーティング エアポートベンチ & シェルチェア スタッキングベース ~ パブリックスペースから来たイームズ

UPDATE: STAFF:ユキナ

公共施設より、希少なイームズのビンテージアイテムを多数お引き取りさせて頂きました!

音楽が盛んな千葉県習志野市にある、パイプオルガンがシンボルの「習志野文化ホール」。40年以上に渡り親しまれたホールのリニューアルに伴い、この度インプションでは施設内で実際に使用されていたイームズデザインのエアポートベンチやシェルチェアをまとめてお引き取りさせて頂きました。

エアポートベンチと言えば、鹿児島空港の搭乗口に大量に収められており、イームズファンの聖地としても知られていますが、千葉県にもこれだけの数が現存していたとは!市場に出回ることは滅多に無い上に、25台というまとまった台数は最初で最後のスペシャルな入荷と言えるでしょう。

本記事では、イームズ夫妻の代名詞といえるシェルチェアの中でもパブリック向けにデザインされたタンデムベースとスタッキングベースタイプをご紹介させて頂きます。

(習志野文化ホール内の様子)

チャールズ & レイ・イームズ

ミッドセンチュリー期における工業系デザインの第一人者といっても過言ではない、チャールズ・イームズ。妻のレイ・イームズと共にハーマンミラー社にて様々なプロダクトを輩出しました。ニューヨーク近代美術館MoMAにて永久収蔵品となったイームズラウンジは彼らのアイコン的存在です。

1940年代に海軍からの依頼でレッグスプリントなどを手掛けたのをきっかけにプライウッド製品を開発し、戦後にはFRPを駆使し一連のシェルチェアを手掛けています。

シェルチェアは当時量産家具の走りとして、配色やオーガニックなデザイン、シーンによって選べるベースが人気を博しましたが、今では誰もが一度は目にしたことがある名作チェアとして家庭用から企業まで幅広いシーンで親しまれています。

エアポートベンチ(タンデムシェルシーティンググループ)

シェルチェアが誕生した1950年から約10年後の1963年に発売されたEames Tandem Shell Seating Group(イームズタンデムシェルシーティンググループ)。当時学校や病院、ロビー、待合室、コインランドリーまで、あらゆる公共施設に設置されたそうです。

同時期に発売されたTandem Sling Seatingに似ていることや、前途の通り国内では鹿児島空港で見られることもあってか、それらを総称して「エアポートベンチ」とも呼ばれています。

tandem(タンデム)とは英語で「座席が並んで」を意味し、シェルチェアの他のベースと同様に明瞭な名称が付けられています。ハーマンミラー社の発売当時のカタログには、サイドシェル、アームシェル、ラフォンダ、テーブルを3から5連のタンデムベースと組み合わせたパターンが記されています。

「アルミバフ」という頑丈なキャストアルミニウムの脚部をサイドに配した2本脚のシンプルな構造。シェルにベースを固定するマウントバーには、シェル以外にもテーブルトップを組み合わせることが出来、好みや用途に合わせて組み換えられる汎用性に優れた設計となっています。

今回入荷したのは、4連のアームシェルが13台、サイドシェルが12台。今回初めてアームシェルとサイドシェルのベンチを並べてみて気づいたのですが、シェルのサイズに応じてベースも2種類ございます。

座面裏のエンボスマークから、アームシェルは1955~70年代に製造された2ndビンテージ、サイドシェルは1970~90年までに製造された3rdビンテージの中でも最後期のモデルであることが分かります。

経年の風合いを味わえる定番人気のパーチメントカラーに、ボルドーのような深い赤色のPVCレザーを張り合わせたアプホルスター仕様。紅白の組み合わせがレトロフューチャーな雰囲気で、USミッドセンチュリーだけでなくスペースエイジのアイテムが好きな方にも刺さるカラーリングではないでしょうか。

ビンテージなりの経年感はございますが、ウレタンの硬化もなくクッション性がしっかり保たれています。

シェルチェア スタッキングベース

続いてスタッキングベースのシェルチェアは、ピンクカラーが30脚とベージュカラーが6脚の全部で36脚が入荷いたしました!

スタッキングベースが誕生したのは1955年。当時学校や病院、役所、スタジアムまで、あらゆる公共施設に設置され、人々の生活に一番身近なシェルチェアとして親しまれました。

シェルにベースを固定するマウントポジションには2種類(ワイドマウントポジションとナローマウントポジション)あり、こちらはスタッキングベースとテーブル付きのスクールベースにのみ見られるワイドマウントポジションの仕様。

スタッキングベースはその名の通りスタッキングできるだけでなく、ベースに備わっているサイドフックを連結しベンチのように使用することも出来ます。また、エッフェルベースやドゥエルレッグなど他のベースに比べると横幅が広く4本脚のためしっかりとした安定感があります。

座面裏には、ハーマンミラージャパンの前身である、Modern Furniture Sales(モダンファニチャーセールス)のエンボスマーク。1960年代から90年頃まで製造されていた、2nd後期から3rdにあたるビンテージシェルです。

パーチメントカラーのシェルに、ビビッドなピンクのPVCレザーの組み合わせ。経年によりPVCならではの艶が抑えられ、良い具合に風合いを増しています。ビンテージなりの経年感はございますが、こちらもエアポートベンチ同様ウレタンのコンディションは問題なく柔らかな着座感は健在です。

*ベージュのPVCレザーは、既に販売済みとなっています。

ちなみに、スタッキングベースの為に作られた専用の台車も驚くことにハーマンミラー社製。裏面にはしっかりとメーカーシールが残っています。

シェルチェアは、状態を加味した比較的手の届きやすい価格での販売となりますので、オフィスやショップ用にまとまった数をお探しの方はもちろんですが、初めてのビンテージシェルチェアとしても是非ご検討くださいませ。

最後に

千葉県習志野市からやってきた希少なエアポートベンチとシェルチェアをご紹介してきました。

長く使用することを考えるとFRPのシェルを選ぶのが妥当ですが、贅沢にも全てのシェルチェアをアプホルスター仕様にオーダーしたのは、やはり座り心地を考えての選択だったのでしょう。

そもそもなぜ市民ホールにイームズ家具をセレクトしたのか気になりますが、当時ホールの建設に携わった方々のこだわりや市民への思いやりの気持ちが垣間見え、巡り巡ってインプションでこうやって皆様にご紹介出来ることを大変嬉しく思います。

今回入荷したシェルの中には、写真のように破れなどのダメージが目立ち、そのままでは販売出来ない状態のものもございました。それらに関しては、専門業社に依頼しPVCレザーをファブリックに張り替える予定です。張り替えが完成したものから改めて出品していきますので、生まれ変わったシェルチェアもお楽しみに!

*各店舗に振り分けて販売しておりますので、商品の在庫状況や詳細につきましては商品ページに記載されている担当店舗に直接お電話下さいませ。

*イームズデザインの家具は、画像以外にも色々在庫がございます。下記をクリックして頂ければ現在販売中のアイテムをご覧頂けます。

 

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