MUJI
本日は優しい空気を纏ったシンプル&ナチュラルなフォルムで、高い人気を集めている無印良品のお話。
無印良品で。
日本以外の国で無印良品の店舗が初めてオープンしたのは1991年のロンドンでした。 私達がLとRの発音に苦戦するように、英語圏の方からすると日本人の名前は発音が難しく、それは海外進出した企業でも同じ事。 「むじるしりょうひん」の発音が難しかった事で、現地の関係者は「MUJI」と略称で呼び、それが正式なブランド名となった経緯があるそうです。
「MUJI」という発音を聞くと、どこか無意識に「無地」を頭の片隅に浮かべてしまう日本人も多いでしょう。 「印をつけない」無印の本来の意味の中に、流行に左右されず、飾り立てない「素」の姿を感じさせます。
スティーブ・ジョブズが「禅」に夢中になったように、海外で無印良品が紹介される時は、日本の文化「禅」と結びつき、古来からの美意識として、禅の精神を体現するブランドとして語られる事が多いそうです。
流行に左右されず、国内外数多ある家具ブランドの中でも「無印でいい」と選ぶ時、「これがいい」ではなく「これ"で"いい」とユーザーに満足してもらう事が無印良品のヴィジョン。 空の器の様に空白で、簡素。 しかしながら「で」のレベルを上げていく事が無印良品の品質であり真髄です。
空の器のように、無印家具の多くは極めて合理的でシンプル。 しかしながら、いわゆる近年のインテリアスタイルとして巷に溢れるミニマリズムのように、確りと枠にはめられるものでもない事は、意味はわからずとも何となく感じ取れるのではないでしょうか。
日本国内で当たり前の「無印良品」は、海外ではひとつの世界観として確立された「MUJI」として認知されています。 無印の家具は名前の通り過度な自己主張をしない為、他ブランドと比較するとどうしても無個性に見えてしまいますが、「これ"で"いい」の「で」で生活する事は、物やサービスを選び疲れた現代人が最後に気づき、そして行き着く安息の地のようなものなのかもしれません。 あなたのお部屋に「MUJI」はありますか?