artek ~FIN / JPN Collection~
ColoRing Bench 153B
1935年フィンランド・ヘルシンキにて設立した北欧を代表するインテリアブランド “アルテック Artek”。
Art(アート)とTechnology(テクノロジー)、芸術性と技術力の融合を意味する造語を社名に冠した同社は、実用的かつ洗練された新たな価値を持つプロダクトを数多く展開しています。
シンプルでナチュラルなイメージが強い北欧デザイン、そこに異国の伝統や技術が合わさるとどんな反応が現れるのか。
本日ご紹介させて頂くのはアルテックの人気プロダクト「ベンチ153B」に日本の技術と伝統が合わさった、サイケデリックなベンチのご紹介です。
フィンランドと日本の化学反応
北欧が生んだ近代建築の巨匠 “アルヴァ・アアルト Alvar Aalto”によって1945年に生み出された“ベンチ153B”。
今回入荷したのは日本とフィンランドの外交関係樹立100周年を記念し、2019年4月のミラノサローネにて発表された「FIN/JPNフレンドシップコレクション」のひとつとして展開された「カラリン ColoRing」シリーズの1台。
日本とフィンランドを代表するデザイナー、建築家、職人とのコラボレーションで生まれたこのコレクション。
フィンランドと日本の類似点と相違点を思慮深く表現した製品で構成されており、シンプルな生活の本質を追求し、自然との親和性や静寂への愛、職人技への敬意、慎重な配慮と遊び心の両方をもたらし、これらの特質を象徴したコレクションとなっています。
デザインを手掛けたのは建築家兼デザイナーの“長坂 常 Jo Nagasaka”。
1998年東京藝術大学卒業後、建築スタジオ「スキーマ建築計画」を設立。
規模の大小に関わらず常に1/1スケールを意識し、素材や日常にあるもの、既存の環境の中から新しい視点や価値観を見出し設計を行い、家具から建築、街づくりまで幅広い分野を手掛け、国内外で活動の場を広げています。
特徴的な座面のサイケデックなカラーと模様は長坂氏によって生み出された「カラリン」という技法によるもの。
日本に古くから伝わる、“浮造り”と呼ばれる柔らかなパイン材を硬い毛のブラシで削り、表面の木目を際立たせる木工技法と、“津軽塗”と呼ばれる色付きの漆を2層塗り重ね、その後やすりで削って下の層の色を部分的に露出させる伝統技法の二つを独自に融合させ、この技法を生み出します。
流動的で不規則なパターンは地形図の等高線を連想させ、ピンクとパープルのカラーは地形図や地図を色相反転させたようなエキゾチックな色のコントラストとなっており、サイケデリックな心理的感覚や幻覚、歪んだ知覚や変化した認識を思わせるよう。
奇抜な色使いですが意外にも木製の北欧家具との相性も良く、ミッドセンチュリースタイルはもちろん、スペースエイジやポップなアメリカンスタイルに合わせても雰囲気ある空間づくりが可能。
ベンチとしては勿論、サイドテーブルやディスプレイ台として、ホーム・オフィス・ショップなど空間を限定せず、あらゆる場所・シーン・ライフスタイルにおいて目的別に使うことが出来る、たくさんの可能性を秘めた汎用性の高いシンプルなデザイン。
バーチ材の耐久性とナチュラルな風合いはそのままに、機能性・合理性・実用性、更にデザイン性に至るまで全てがパーフェクトと言える名品と言えます。
人の心を躍らせ、生活に彩りを与えてくれるようなデザイン。
フィンランドと日本の専門知識と伝統的な職人技。
クラシックなアルテックの製品と現代的なデザインを組み合わせたFIN/JPNコレクション“カラリン ベンチ153B”のご紹介でした。