月刊インプション ~6月号~

UPDATE: STAFF:ふじこ
月刊インプション ~6月号~

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UPDATE: STAFF:ふじこ

Monthly Catalog - June

祖師ヶ谷大蔵駅からお店に向かうまでの道のりに、年老いたご夫婦が営む居酒屋があります。 数日前、通勤でその店の前を通りかかると入口に丁寧な毛筆の張り紙が掲示されていて、自粛が明けて営業を再開するというお知らせとともに「わたしたちは元気です」と控えめな一文が添えられていました。 別に知り合いというわけではありません。その店の常連というわけでもありません。それでも、なぜだか沸き上がった安堵の気持ち。 “ 新しい生活様式 ”でリスタートする日常をおそるおそる歩き出しながら、インプションもまた実店舗の営業を再開しました。オンラインを通じて多くの方々に支えられた休業期間を経た分、喜びもひとしおです。 そして、実はその間にもお迎えしていたたくさんの新入荷たち。少し前置きが長くなってしまいましたが、今月も振り返っていこうと思います。 月刊インプション6月号、どうぞごゆっくりご覧下さい。 ※既に販売済の商品も含まれます。予めご承知おき下さいませ。 [toc]

大量!大漁!

インプション5月のビッグニュースといえば、大量入荷3連発。スタッフ総出でひと汗もふた汗もかいた重労働も今となってはいい思い出です。まずは圧巻&大迫力の“ 大漁アイテム ”たちからスタート。どうぞご覧下さい!

USM Modular Furniture|ユーエスエム モジュラーファニチャー

①USMハラーシステム 一体トラック何台分?USMハラーシステムのキャビネットが溢れかえった店内は、まさに「ハラー屋さん」です。入荷したままの状態のものから新しく組み立てたものまで、カラーもサイズも潤沢に揃いました。

②USMハラーテーブル なんとUSMハラー大量入荷は、キャビネットだけではありません。オフィスならミーティング用に、ご自宅ならダイニング用に、そしてリモートワークのデスク用に(は少し大きすぎる?)。でもせっかくなので、テーブルだってUSMハラー!

③USMキトス USMハラーテーブルより、オフィス感の少ない?USMキトスも勢ぞろい。正方形、長方形、六角形と用途に合わせて選べる機会なんてなかなかありません。スタイリッシュな仕事場…憧れちゃいます!ね。

④USMハラーワゴン(ロールボーイ) 使わない書類や文房具はここにしまって整理整頓。デスク上が片付けば、仕事も勉強もスムーズに捗るに違いありません。USMハラーのデスクワゴン=通称“ ロールボーイ ”もご一緒にいかがでしょうか?

しかも!今ならカスタムオーダー受付中。詳細はコチラをご覧ください↓↓↓

BISLEY|ビスレー

デスクワゴンといえば、BISLEY(ビスレー)派!という方も多いはず。こちらも壁が一面埋め尽くされるほどにたくさん入荷してきてくれました(特にイエロー)。細かく仕分けして収納するなら、引き出しの段数が多いビスレーが断然おすすめです。

Artifort|アーティフォート

水色×白のカラーリングが清々しい「F976ビンテージラウンジチェア」。こちらは日本のホウトク社製と思われる逸品です。イギリス人デザイナー、Geoffrey Harcourt(ジェフリー・ハーコート)によるスペースエイジ感漂うポップな造形美。勢ぞろいした風景がたまらなく可愛くて。

ちなみに、こんなのも! フランス人デザイナー、Pierre Paulin(ピエール・ポラン)。Artifort(アーティフォート)のデザイナーといえばこの人を忘れてはいけません。実はF976に隠れてひっそりと入荷していました。見た目だけでなく、名前もチャーミング。こちらは、スポットライトを当てる前に旅立ってしまいました。

UK Vintage|英国ビンテージ

ここまでの大量入荷商品とは打って変わって、クラシカルなメンツが勢ぞろい。こちらもどどんと入荷したアイテムのひとつです。チェア、テーブル、チェスト、ビューローなど種類もさまざまに、落ち着きある経年の魅力をそれぞれが解き放っています。

ポール・ケアホルムの傑作

とりわけ“ スチール ”を使った家具のイメージが強く、そのデザインは硬質でストイック。この人はデンマーク生まれの北欧デザイナーの中でも、ちょっぴり異色な人かもしれません。

PK22|Poul Kjaerholm

シャープかつ繊細で美しい構造をもったミニマルデザイン。Ludwig Mies van der Rohe(ミース・ファン・デル・ローエ)の「バルセロナチェア」をリデザインしたものとも言われていますが、“ 巨匠のデザインを超える ”なんて実は並々ならぬ熱量が込められた椅子なのかもしれません。そう、凛とした佇まいとは裏腹に。

せっかくなので、比べてみました。 実は、籐、スエード、キャンバス、レザーの4種類の素材があるPK22。以前取り扱った籐バージョンと比べてみると、今回のレザー仕様はより重厚感のある印象です。その貫禄ある佇まいはまさに「ザ・デザイナーズチェア」!

ビンテージ対決?

生まれた国によってそれぞれのお国柄が見え隠れするビンテージ家具。国境を越えてたくさん集まってきてくれたこの機会に、ぜひ見比べて欲しいのです。所変われば品変わるというわけで、題して「国別対抗ビンテージ選手権」!上記の英国ビンテージと合わせてご覧下さいませ。

US Vintage|アメリカンビンテージ

アメリカのビンテージ家具の特徴といえば、ウォールナットやオーク材などのいわゆる“ 硬い木 ”が多く使われ、頑丈であること。1950~60年代を彷彿とさせる木製家具に囲まれて、「古き良きアメリカ」を味わう贅沢なタイムスリップをご自宅でお楽しみいただけます。

Japan Vintage|ジャパンビンテージ

ところ変わって、お次は日本。杉、松、欅、オーク、チークなどさまざま素材を巧みに用いた日本の古い家具は、その実用面が注目ポイントです。生活の中で使うことを考慮したきめ細やかな作り。職人ならではの手仕事を垣間見れるのです。

Scandinavian Vintage|北欧ビンテージ

そして最後はビンテージの王道、北欧家具。最大の魅力といえば、チーク材の温かみに相違ありません。が、有名なデザイナーの作品にはもちろん、無名の家具にすら感じられるそのオーラはまさにオンリーワン。ぜひ、見惚れる美しさをご自宅でお楽しみください。

Pick Up Brands

先月入荷したさまざまなアイテムの中から、ちょっとだけ豊富に揃った選りすぐりのブランドを紹介いたします。

TENDO|天童木工

1940年、将棋の駒をはじめとした木工業の盛んな街、山形県天童市にて誕生した、天童木工。日本人の暮らしに向き合い次の世代へと受け継がれる良質な家具たちが、インプションにたんまりと入荷してきました。ちなみに、オフィシャルホームページのセールスランキングでNo.1の「低座イス|坂倉準三(写真右下)」と、No.2の「バタフライスツール|柳宗理(写真左上)」も揃いぶみしていました。

G-PLAN|ジープラン

「G-PLAN(ジープラン)」の名で広く親しまれている英国家具。ジープランとは“ 何年もかけてプランを立て、買い足していく家具 ”をコンセプトに設立されたEbenezer Gomme(エベネゼル・グーム)社のブランドのひとつです。英国のERCOL(アーコール)社と並びビンテージ家具界では、その名を知られる同社。1987年に売却され、E,Gomme社製はビンテージでしか出会えません(現在でもジープランの名で製造が続けられています)。

デザイナーの椅子。

有名だけど、あまり知られていない名デザイナーの椅子がちらほら、インプションにやってきました。いつもは他の“ 有名人 ”たちの影に隠れて紹介できずにいたそんなチェアたちをピックアップしてみました。

Pierre Guariche|ピエール・ガーリッシュ

こちらもフランス人デザイナー兼建築家のPierre Guariche(ピエール・ガーリッシュ)。近年、注目度が高まっているフランスデザイン界の巨匠、そしてミッドセンチュリー期を牽引したひとりです。成形時の環境によって生まれるアルミニウムのムラによって、ひとつひとつ異なる“ 顔 ”を魅せる「Tulip Chair(チューリップチェア)」。今回入荷したのは、オリジナルのSteiner(シュタイナー)社製ではなくフランスのインテリアショップMaisons du Monde(メゾンデュモンド)による正規復刻版!

Steiner(シュタイナー)製でお探しなら。 ピエール・ガーリッシュもうひとつの代表作「Tonneau Chair(トノーチェア)」。こちらはフランス初のプライウッド(成形合板)を用いた椅子としても知られています。人気の高まりによって、母国フランスでもまさかの入手困難?今ならインプションで手に入ります。

Kai Kristiansen|カイ・クリスチャンセン

デンマークには巨匠が何人いるのか…と思うほど、デザイン界を代表する人がたくさん。このKai Kristiansen(カイ・クリスチャンセン)も覚えておきたいデザイナーのひとりです。1929生まれの御年91歳!今でもご存命の数少ないデザイナーさんなのです。徳島県の宮崎椅子製作所がライセンスをもって復刻生産を行っているので、意外にも日本と馴染み深いこのお方。1956年デザインの「NV31」は“ Handy ”として現行販売中ですが、ビンテージの逸品が入荷していました。

暮らしを彩る。

さて、家具以外にも「おっ!」と目を引くアイテムが続々入荷中です。独断と偏見で選んだ注目のインテリアたち…どうぞご覧下さい。

現代作家の器

こんなにたくさんの現代作家さんの器が入荷すると、ワクワクが止まらないものです。この器もあの器もともう目移りしっぱなし。作り手さんの想いがそこにあるようで、使うごとに増す愛着も魅力的!です。

繭玉のような照明

【左】ヤマギワ yamagiwa マユハナ MAYUHANA Ⅱ 【右】モーイ moooi ランダムライト2 Sサイズ

それぞれデザイナーは異なるのに、どちらも見るからに同じモチーフに違いない!そう、繭です。グラスファイバーの繭を通した優しく柔らかい光。フロアに置くか天井に吊るすか、迷うところです。

モロッコのラグ、ベニワレン

【左】W250cm ブラウン 【右】W255cm ホワイト

「家を守る」という意味が込められたひし形模様のベニワレン。伝統の技術で織られたモロッコの絨毯です。ようやくお部屋にぴったりなサイズ感のラグが入荷しました(大きすぎて椅子がミニチュアみたい!)。ちなみにウールは湿気を吸い水を弾く性質なので、これからの時期にも最適です。

笑顔になれるキュートなフィギュア

【左】ビトッシ BITOSSI リミニ ブルー RIMINI BLU 【右】草間彌生 YAYOI KUSAMA パンプキン Pumpkin

きょとんとした愛らしい表情が何ともいえない動物。世界で一番有名であろうかぼちゃ。飾るだけで心が和むアートフィギュアをご自宅で存分に楽しんで欲しいのです。お気に入りが見つかりますように。

傘立てにこだわる

Ettore Sottsass(エットーレ・ソットサス)の誘いでデザイン界に旋風を巻き起こしたデザイン集団「メンフィス」にも参加した倉俣史朗(くらまたしろう)。空間デザインからプロダクトデザインにおいて日本に誇る名デザイナーです。一見目には届かないインテリアの片隅にある傘立てにもこだわりを。

デスクワークの相棒といえば…

在宅でのお仕事やお勉強を経験し、これからもそんな日常が続きそう!という方にぜひおすすめしたいチェアがあります。そして、チェアを選ぶ前にぜひ読んで欲しいコラム~お家で快適なテレワーク環境をつくるコツ~があります。たぶん、これで完璧!

アーロンチェア

Herman Miller(ハーマンミラー)社のオフィスチェアといえば、これ!人体工学を追求し完成された名作「アーロンチェア」です。デスクチェアの最高峰と謳われるこだわりの座り心地をぜひ体感してください。

メダチェア

Vitra(ヴィトラ)社からは、イタリア生まれのAlberto Meda(アルベルト・メダ)デザインによる「MEDA(メダ)チェア」を。ハンモックのような掛け心地を味わえます。デザイナー自身の名前を冠したまさに自信作。

変わったデスク?

これがデスク?と風変わりな見た目が際立つイーロの「コロロデスク」。小窓のついたボックス型のデスクは、まさに“ 籠れる ”自分だけの空間を実現してくれそうです。これで集中力もアップすること間違いなし?

ポルシェと家具

一見繋がりがあるなんて想像のつかないモノ同士が、実は関連していたという衝撃の事実。そう、車と家具を同じ人がデザインしていたという仰天の事実。その目で確かめてみて下さい。

IP 84S ラウンジチェア|フェルナンド. A. ポルシェ

こちらは、ポルシェの定番カー「911」を手掛けたFerdinand. A. Porsche(フェルナンド. A. ポルシェ)によるラウンジチェア。流線的で躍動感あふれるフレームの構造が、どこか車のパーツを思わせる気がしませんか?リクライニング機能付きの快適な座り心地は、きっとポルシェに乗っている気分。

アーチシェルフハイタイプ|奥山清行

独ポルシェ社、伊フェラーリ、ピニンファリーナ、米ゼネラルモーターズ等、自動車を主に幅広いデザインをおこなっている奥山清行(KEN OKUYAMA)氏の家具がこちら。車のイメージからは程遠い気もしますが、フェンスのような構造が建築物を彷彿とさせます。

あとがき

新しい日常のはじまり。といっても、何かが大きく変わるわけではありません。 インプションの日常はリサイクルとリユースを通じて皆さまと繋がること。そこに変わりはないのです。 もちろん細心の注意を払いながら、試行錯誤しながら、そして皆さまにもご協力を仰ぎながらになってしまうかもしれません。それでもちょっとだけわがままが許されるのなら、これまで通りを出来るかぎりに。 実店舗でもオンラインショップでも皆さんと繋がっていたいなぁと思います。こんなインプションですが、これからもともに歩んでいただけたら幸いです。 あ、それから最後にひとつだけ。私たちは、元気です。

【撮影協力】祖師ヶ谷大蔵店のみんな

月刊インプション ~6月号~