月刊インプション ~10月号~

UPDATE: STAFF:ふじこ
月刊インプション ~10月号~

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Monthly Catalog - October

毎月、月刊インプションに掲載するアイテムをチョイスするのですが、これがなかなか厄介な作業。というのも載せたいものが多すぎる! あれもこれもと選出した挙句、これはさすがに書ききれないと引き算を重ねる羽目になります。そうして見事当選したアイテムたちが、ここに掲載されているわけなのですが…。 毎月恒例の作業なのに、選び方が全然上手くなりません。でも、これってそれだけ紹介したい商品があるという証。 今月もそんな厳正な審査?を見事に通過したアイテムを集めました。月刊インプションで読書の秋。どうぞごゆっくりご覧下さいませ。 ※既に販売済の商品も含まれます。予めご承知おき下さいませ。 [toc]

色褪せないミッドセンチュリー

インテリアの黄金期とも呼ばれる、1940~60年代。今でも色褪せることのないこの時代のデザインは、自由でいて大胆不敵。レトロとモダンの“ いいとこ取り ”をするなら、やっぱりミッドセンチュリーがいちばん!です。

eames|イームズ

ライトブルー 2nd + Xベース スモールドット 2nd + Hベース ジラルド ホプサック生地 2nd + エッフェルベース "Harlequin" ホワイトアッシュ 現行 + エッフェルベース 他にもたくさん入りました! こんなに定番アイテムなのに、毎回異なるカラーやシェルとベースの組み合わせでいつも楽しませてくれるこの時代のアイコン、シェルチェア。ミッドセンチュリーデビューもコレクションマニアも、選ぶならやっぱりこの椅子なのです。

Harry Bertoia|ハリー・ベルトイア

実は、イームズの椅子作りにも大きく貢献したデザイナー、ベルトイア。そんな彼のデザインもまた、ミッドセンチュリー期の象徴と呼べる存在です。ただ多才であるがためか、実はデザインした家具のシリーズはたったのひとつ。意外にも彼の家具は貴重かもしれません。

George Nelson|ジョージ・ネルソン

イームズ夫妻を見出したネルソン。デザイナーとしての才能はもちろん、彼のディレクターとしての功績は計り知れません。そんな彼の代表的な照明、NELSON BUBBLE LAMP(ネルソンバブルランプ)。和紙のように見えますが、これプラスチックなんです。

Kelley Sandidge|ケリー・サンディッジ

さて、このデザイナーは誰?と思われた方、ご安心ください。このアイテムだけ当時のものではありません。こちらは、ミッドセンチュリーのデザインにインスピレーションを受けて作られたグラスファイバー製のプランター。相性がばっちりなので、紹介してみました。

ザ・ジャパニーズデザイン

ジャパニーズモダンの巨匠と永久コレクションを多数持つ有名なインテリアデザイナー。彼らのデザインが礎をつくり、受け継がれ、新しく生み出されていく。日本のインテリアデザインもまた、素晴らしきかな。

Sori Yanagi|柳宗理

もはや説明不要のバタフライスツール。ですが、今回はいつもとは一味違うビンテージ品。今後入荷する見込みは、ほぼゼロに近いのではないでしょうか?喉から手が出るほど欲しい名作スツールの貴重な初期型です。

Daisaku Cho|長大作

丸いガラスの天板から透けて見えるトライアングルのフレーム。直線と曲線が融合するデザインは、同時に異素材が生み出す唯一無二の美しさも感じさせます。長大作氏の意匠が詰まった希少なプロダクトです。

Shigeru Uchida|内田繁

こちらは、オーダーメイドで作られたマップケース。何かの専用家具って、どこか不思議な魅力を感じさせます。でも電子化が進む中で、きっとこれからこういった家具は見かけなくなってしまうのかもしれません。なんて考えると、なんだかさみしい気もします。

はじめましてと驚きと。

有名なデザイナーの家具はもちろん、「なんだこれ!」と思わず言ってしまうようなビンテージの古い家具や新しく生み出された家具。インテリアが面白いのは、たくさんのデザインに満ち溢れているから…。

Storage Furniture|収納家具

ひきだし!引き出し!抽斗!イギリスのキッチンキャビネット(珍しいアルミ素材!)に、小ネタを仕込んだユーモアたっぷりのドロワーチェスト、図書館で見たことのある懐かしさ満天の書類棚など、とにかく引き出しがたくさんの家具が大集合しました。

Ladder Partition|ラダーパーテーション

ハンガーラックやディスプレイラックとしての使い道も兼ね備えるパーテーション。実は、ACME Furniture(アクメファニチャー)の逸品です。こちらのアイテムはインプション初入荷!となりました。さすがはアクメの家具。ナイスな遊び心です。

Sustainable Furniture|サスティナブルな家具

“ 持続可能な ”の意味をもつ「サスティナブル」。社会や環境に配慮した家具は、今まさにトレンドです。そんなサスティナブルな家具をリサイクルショップで手に入れるなんて、ちょっといいことしている気分になります。

Stool|一味違うスツール

普通のスツールじゃ物足りない?そんな方には、モロッコスタイルと石巻スタイルが一押しです。小さな家具だからこそ、少しばかりこだわりのあるものやアクセントになる風変わりなデザインのものを選びやすいのではないでしょうか?

今月のピックアップブランド

皆さんもご存知の日本の有名ブランドと北欧の注目ブランド。どちらも一度にたくさん入荷することは数少ない…というわけで満を持して、の登場です。

TRUCK FURNITURE|トラックファニチャー

人気の家具が充実! さらにカスタムオーダー品まで! ソファにデスクチェアに収納家具、さらにはほぼ中古市場では見かけることのないカスタムオーダーアイテムまで、一気に大集結しました。一目見ただけで「トラックの家具だ」と分かるこの佇まい。そう思わせることこそがトラックの魅力です。

HAY|ヘイ

HAY(ヘイ)という明るい響きのブランド名にはきっとデンマーク語の意味があるのだろうと思っていたら、創業者Rolf Hay(ロルフ・ヘイ)の名前でした。ポップで上品な北欧の新しいモダンデザイン。もうすぐ公式オンラインショップがオープンするみたいですよ。楽しみ!

北欧のデザインびと。

夏の北欧も爽やかで素敵ですが、やっぱり秋冬。寒い季節がこんなに似合う国は北欧しかないと思うのです。この温かみを一度知ったら、もう離れられません。

Hans Jørgensen Wegner|ハンス. J. ウェグナー

この方をなくしては語ることのできない北欧の家具。デンマークのGETAMA(ゲタマ)社より「GE240」が2脚入荷しました。そして今回はインプションで依頼した新品張替ファブリック仕様!対照的なカラーリングはひとつでも、並べても、どちらでも美しい。

Grete Jalk|グレーテ・ヤルク

修復するために少しだけ保管されていたこのソファを見て、かっこいいと密かに思っていました。それもそのはず、こちらはウェグナーたちと同時代に活躍した女性デザイナー、Grete Jalk(グレーテ・ヤルク)の逸品。CADO(カド)社の刻印も見逃せません。

Poul Henningsen|ポール・ヘニングセン

「PH」シリーズをはじめとし、「良質な光」を追求して作られた照明は200種類以上。その中で日本では350台しか販売されなかった琥珀(アンバー)色の「PH3 1/2-3」は、通常の洗練さにノスタルジックな印象が加わったレトロな佇まいが魅力的でした。

Sidse Werner|シセ・ヴェアナー

まるで“ 木 ”のような出で立ちのコートハンガーは、その名も「Coat Tree」。Nanna Ditzel(ナナ・ディッツェル)の事務所でのアシスタント経験もある彼女(女性デザイナーです)のカラフルな作品は、まさにアート。服も帽子も掛けず、そのまま飾っておきたい気もしちゃいます。

Alvar Aalto|アルヴァ・アアルト

artek(アルテック)の代名詞とも呼べるアアルト(この方だけfromフィンランドでした)の「スツール60」は、久しぶりの入荷となりました。2011年・クリスマス限定のマリメッコファブリックと2013年・80周年シール付きのラッカーレッド。スペシャルver.はやはり旅立ちも早かった!

おもちゃ × デザイン

おもちゃの世界にも素敵なアイテムがたくさんありました。こんなおもちゃで遊んでいたら、今とは別の大人になっていたかもしれません。

Bruno Munari|ブルーノ・ムナーリ

イタリアの家具インテリアメーカー、DANESE(ダネーゼ)より販売されていた1970年代・ビンテージの知育玩具。視覚表現のスペシャリストともいえるムナーリが手掛けた子どものための色彩豊かなアイテムは、おもちゃを超えて芸術品といえそうです。

Kay Bojesen|カイ・ボイスン

“ 美術工芸のパイオニア ”としても知られるカイ・ボイスンの木製玩具といえば、アニマルが有名です。子どもの自由な発想を育む自然素材のおもちゃが、時を経て大人のインテリアオブジェとして人気になるなんて、きっと思ってもみなかったことでしょう。

こんな雑貨はいかがですか?

家具と同時にたくさんのインテリア雑貨たちも日々入荷するインプション。そんな小さなインテリアにも魅力がいっぱい詰まっています。今回はその中から、選りすぐりを紹介いたします。

黒田泰蔵の大きな花器

白磁陶芸家・黒田泰蔵。彼の作品は年々評価が上がり、希少性も高まってきています。究極の白磁の美を感じられる作品は、凛としていて柔らかい。そこにあるだけで背筋が伸びるようなそんな感覚です。

藍色のこけし from BEAMS

「こけし=朱色」の概念を覆す、INDIGO KOKESHI(インディゴこけし)。仙台木地製作所の木地師・佐藤康広氏と製作された新しいスタイルの工芸品は、藍の自然な濃淡がデニムのようなビンテージ感とカジュアルさをまとっていました。

Pierre Cardin|ピエール・カルダン

なんともグッドなタイミングで公開されるドキュメンタリー映画「ライフ・イズ・カラフル!」(10月2日から)。ピエール・カルダンの偉業を知る絶好の機会に合わせるように、インプションにはスリッパラックが入荷していました。映画も気になります。

レトロ × ポップ=スペースエイジ

手が届きそうではるかに遠い宇宙や近未来への憧れは、デザインとして具現化されました。50~60年前に描かれた未来は、とにかくレトロフューチャー。ということは、今見るとニューパスト? ザ・レトロポップなスペースエイジデザインの中でも、ホワイト × オレンジのカラーリングが勢ぞろい。ちなみにこのデザインの基調色が白なのは、光や熱の観点から宇宙にまつわるもの(宇宙船や宇宙服)が白で作られているから、なんだとか。

ソファとイス

くつろぎかデザインか。求めるものはそれぞれでも、とりあえず見てほしい!と思うソファとイスがあります。選択肢のひとつになれば幸いです。

Cassina ixc.|カッシーナイクスシー

カッシーナイクスシーに変わる前、INTER DECOR(インターデコール)時代の大きなソファは、Piero Lissoni(ピエロ・リッソーニ)によるデザイン。和がテーマというだけあって、床座のような低さが特徴的。落ち着きを感じます。

CUERO|クエロ

商品化の準備をする直前にお問合せ頂き、店頭に並ぶことなくそのままお嫁に行ってしまった今回の「BKF バタフライチェア」。そんな運命的なタイミングで出会えるなんて、そうそうありません。瞬く間に飛び立ったバタフライ、さて次の入荷も楽しみに待ちたいものです。

compass leg chair|コンパスレッグチェア

Friso Kramer(フリソ・クラマー)のリザルトチェアに代表されるコンパスレッグ。逆V字の脚は、オランダ(ダッチ)デザインの代表的存在です。Ahrend de Cirkel(アーレンド・デ・シュルコ)社、Galvanitas(ガルファニタス)社、MARKO VEEDAM(マルコ)社と異なるメーカーのコンパス脚が一挙に勢ぞろい!

エンツォ・マーリ × 無印良品

2002年に発足した無印良品の「WORLD MUJI」シリーズ。その第一弾は、なんとイタリアの巨匠・Enzo Mari(エンツォ・マーリ)とのコラボレーションでした。イタリアモダンを無印の世界観に落とし込んだ“ 無駄のないカタチ ”。なんだか不思議なデザインですが、今となっては入手困難なアイテムです。

あとがき

そういえば昔、80を過ぎたおじいちゃんが「この年になると1年が1ヵ月みたいに早く過ぎるよ」と言っていました。 もちろんまだそこまでの域には到達していませんが、気づけば今年も残り3ヵ月。もう、なんだかあっという間です。 たくさんの“ Go To ”企画もありますが、お気に入りのインテリアに囲まれて年を越すために、インプションにも“ Go To ”して頂けたら嬉しいです。 ちなみに今年の月刊は、残すところあと2回。最後まで、素敵なアイテムをチョイスして駆け抜けたいと思いますので、ぜひ見届けて下さいませ。 10月号も最後までお付き合いいただき、ありがとうございました。
月刊インプション ~10月号~