古い家具と暮らす~アンティークとビンテージを楽しむために~

UPDATE: STAFF:ふじこ
古い家具と暮らす~アンティークとビンテージを楽しむために~

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UPDATE: STAFF:ふじこ

受け継いで、引き継ぐ。

どんな家具が好きですか?と聞かれたら、真っ先に「古家具!」と答えます。 個人的には、とりわけ日本の古い家具に惹かれるのですが、国も年代も関係なく“ 古いもの ”には目がありません。 現代の家具にはない手の込んだ作りや時代を超えても使い続けられる頑丈さ。そして何より受け継ぎ引き継がれ過ごしてきた時間を考えると、それはもう浪漫なのです(共感いただけたら嬉しい限り!)…なんて、語りだしたらちょっと止められそうにもないので本題へ参りましょう。 魅力溢れる古い家具たち。まだ気づいていない方も既に魅了されている方も、アンティーク&ビンテージの家具の世界へ!いざ! [toc]

“ 古さ ”の魅力

これから取り入れたい!初心者の方にも、古家具大好き!玄人の方にも、古い家具を手に入れる前に伝えておきたいその魅力。まずは、その入口に立って&振り返ってみませんか?

アンティークとビンテージ

古い家具の呼称として使われる「anteique(アンティーク)」と「vintage(ビンテージ)」。ヨーロッパでは、“ 製造から100年以上経ったもの ”をアンティーク、対して“ 100年経っていないもの ”をビンテージと大まかに使い分けられています。 でも実際は、その家具が製造されてから100年以上か未満かなんて証明できないのも事実。なので、多くは〇〇調などのクラシカルなデザインはヨーロピアンアンティーク、ミッドセンチュリー期にデザイン・製造されたものはビンテージとして売られていることが多いのです。

時代を買う愉しみ

古い家具。なんといってもその最大の魅力といえば「経年」ではないでしょうか。最初の持ち主から次の持ち主へ、受け継がれてきたからこそ感じることのできる“ 時代 ”。でもそれだけではありません!思い浮かぶ限りに書き綴ってみました。 ・希少な一点もの=唯一無二の自分だけの家具になる。 ・美術館や博物館で見るような歴史あるインテリアを自分で使う優越感に浸れる。 ・長年使い込んで生まれた傷や汚れも“ 味わい ”になり、風合いとして楽しむことができる。 ・贅沢(希少)な素材が使われている。 ・職人さんによる手作業で作られることが多いからこそのしっかりとした構造。 ・造りの良さからは考えられないその価格。 ・しかも、素材と構造の良さから、壊れても修理することができる。 なんだかいいことづくめな気がしませんか?でもたくさんのメリットがある代わりに、少しだけ気をつけたいこともあったりします。古い家具を取り入れるための準備と心づもり。せっかくなので、抜かりなく行いたいものです。

ご購入のその前に

時代が変われば、家具も変わる。そう、昔の家具は現代の家具の“ 常識 ”とは異なる点がいくつかございます。ぜひ、ご購入前の参考にしてみてください。

使う場所・頻度をイメージする

さて、ダイニングで毎日食事するために使う椅子として、あなたなら上記の3つのうちどれを選びますか? 同じ“ 椅子 ”でも実は、それぞれ目的をもって作られています。 【左】ウィンザーチェア:イギリス生まれの食堂などで使われていた椅子。 【中】ベントウッドチェア:ミヒャエル・トーネットが生み出した曲木の椅子。 【右】ホールチェア:お客様をお迎えする場所に置く空間演出のための椅子。 というわけで、正解は①(②もよくカフェやバーなどで使われているので正解)です。 実用向きかインテリア向きかによって、最適な使い方がある古い家具。椅子だけでなく、例えば「この収納家具を本棚として使いたいけど、何冊までの重さに耐えられるかな?」など、使う場所と頻度を想像して購入すると実際に使う際の不具合等に見舞われる機会を軽減できるかもしれません。

もともとのダメージを確認する

何年も時を経たからこそ刻まれた傷や汚れ。何度も使えるように繰り返された補修痕。どれも“ 味わい ”といえど、実際に使うものだからこそ気になるのはそのダメージ具合です。イメージに合う家具と出会えたなら、ご購入の前にしっかりチェックしておきましょう。 【チェックポイント】 ・歪みが生じていないか? ・天板や棚板に反りがないか? ・ぐらつきやがたつきはないか? ・部品に欠品はないか?使えるか? ・においはないか? ・仕上げ方法(オイル、ワックス、ラッカー)は何か? 実際に使う前から不安なところは、そのまま使い始めてもきっと解消されないはず。ぜひ、使うときに不便にならないかな?と考えてみてください。もちろん、少しダメージがあっても実用に問題がないと判断できれば、大丈夫。

DIYがお好きな方なら…

そして、そんなダメージがあったとしてももしかしたら少し手を加えればその不具合も解消できるかもしれません!たくさんの持ち主が、少しづつ手を加えながら受け継いできた家具だからこそ、自分で修理を施せばさらに愛着が湧くってもんです。 【DIYポイント】 ・歪み → ネジを締め直す・釘を打ち直す・ハンマーで叩いて緩みをなくす ・板の反り → 棚板などは向きを変える・新しい板に交換してみる ・ぐらつき → ネジを締め直す・釘を打ち直す・ボンドで接着する・ハンマーで叩いて緩みをなくす ・がたつき → ネジを締め直す・釘を打ち直す・ボンドで接着する・脚裏フェルトで調整する ・部品 → 別の部品に交換する・使えなくても飾りとしてそのままにする ・におい → 風(熱風)を当てる・新聞紙を敷く・消臭剤を入れる ・仕上げ方法(オイル、ワックス、ラッカー) → 下記で詳しく説明いたします!

長くご愛用いただくために

そしていよいよおうちに古い家具を迎えたら、これまでの歴史を受け継ぐ者として、末永くご愛用いただきたい!そのために、お気に入りのその家具に少しだけ愛情を注いでほしいのです。

水に注意

仕上げ方法にもよりますが、木材本来の良さを活かした家具が多く、とっても水に弱いんです。よくテーブルの天板にみられる輪っかは「輪染み」と呼ばれるコップの跡。そんなシミを防ぐために、コースターやマットを敷くことをおすすめいたします。

直射日光に注意

どうしても免れない経年による劣化。特に、仕上げに使われているニスやラッカーは直射日光に当たり続けると、溶けてベタベタしたり表面にひび割れを起こしてしまいます。設置場所を工夫したり、窓辺にあるときにはカーテン等をうまく利用してくださいね。

乾燥&湿気に注意

木は生き物。空気中の水分を吸って吐いて、呼吸をしています。そしてそれは家具になってからも同じ。なので、極度の乾燥や湿潤を繰り返すと反ったり亀裂が入ったりしまいます。とくに冷暖房の風が直接当たることのないようご注意を!快適な空間で、我が子のように一緒に過ごしてあげることが大切なんです。

色落ちに注意

服がこすってしまった時やお掃除クロスで拭き上げたときなど、塗装の色が付着することがございます。特に濡れた布で触れたときに起こしやすい色落ち。色が落ちることで仕上げのオイルやワックスが徐々に馴染んで風合いが増すこともあります。が、コーティング効果が弱まる場合もございますので、定期的なお手入れを心がけてみてください。

耐荷重に注意

古い家具には残念ながら、耐荷重の設定や地震などを見込んだ転落防止機能はありません。重心を一点に集中させたり、通常仕様と異なる使い方(例えば椅子を踏み台に)したり、強い力でもたれかかったり倒したり、力任せに扉や引き出しを開閉したり…なんて絶対に禁物。扱うときは、丁寧に、慎重に、が鉄則です。

お手入れ方法

大切に長く使い続けるために必要なメンテナンス。やり方を間違えてしまうと、かえってダメージが広がってしまうこともあります。正しい方法で、いつまでも美しい家具のままを保ちませんか?

お掃除

いちに、乾拭き。にに、乾拭き。そうです、木材部分のお掃除の基本は乾拭(からぶ)きです。細かい埃等はブラシで、そしてどうしても落としきれない汚れには、かたーく絞って水拭きを。洗剤やアルコールは表面塗装を落としてしまうので、ご使用はお避けくださいませ。 ※椅子の座面等の布部分の汚れには、中性洗剤を含ませた水を固く絞って叩くように落とす方法が良いかと思います。

メンテナンス

①オイル(ポリッシュ)仕上げの家具 オイルには保護膜を張る作用がありません。定期的な再塗装をすることでより長くキレイな状態を保つことができます。市販のオイルでOKですが、種類がいくつかあり、成分はもちろん色付き・色なしなどその家具にあったものをお選びください。木の乾燥具合を目安に、拭き掃除を頻繁に行う家具には2~3ヶ月に1回のお手入れがおすすめです。 ※状態によって、もともとの塗装が剥がれてしまうことがあります。全体に塗る前に、目立たない場所で剥がれないことを確認してから行ってください。 ②ワックス仕上げ オイルに比べると少しだけ保護効果の期待できるワックス。ぜひ初めての方にも挑戦してみてほしいのは、比較的簡単にお手入れを行える自然由来の「蜜蝋ワックス」です(写真は蜜蝋ではありません。当店で使っているワックスです)。ネット通販やホームセンターでも手に入れられる気軽さも◎。こちらも1シーズン(季節)ごとの頻度でお手入れいただくと良さそうです。 ※状態によって、もともとの塗装が剥がれてしまうことがあります。全体に塗る前に、目立たない場所で剥がれないことを確認してから行ってください。 ③ウレタン(ラッカー)仕上げ 保護の観点でいうと一番の強者、ウレタン仕上げ。透明のつるつるした表面が特徴です。水や風などの刺激には強いですが、膜が厚い分削れたときにはやや目立ってしまいます。またこちらはそのまま塗り直すと仕上がりが汚くなってしまいがち。専用の剥離剤で落としてから再塗装を行うのですが、とっても大変な作業なので専門業者様へお願いするほうが安心&安全かもしれません。※写真はイメージです。

最後に

長い時間を経たタフな家具でありながら、実は繊細な一面も持ち合わせている時代を重ねた古い家具。その持ち主になるには“ 少しの覚悟 ”が必要なのかもしれません。 それでも家具が過ごしてきた背景に思いを馳せたり、自分でメンテナンスを繰り返すことによって愛着が湧いたり。一度魅了されたら、離れられなくなるのがアンティークやビンテージの魅力です。 刻まれる傷も汚れも補修の痕も、一緒に過ごした証。手に入れるのは、家具だけではありません。その過去と今と未来、受け継いで引き継ぐその時間も手にしているのです。

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