RY Mobler

System Board RY15＋RY5 

北欧デザインの巨匠、ハンス・J・ウェグナー。

生涯で500脚以上ものチェアを生み出したことでも知られ、いまや北欧家具どころか “家具全体” を語るうえで欠かせない存在ですよね。

そんなウェグナーの魅力を堪能できる「織田コレクション ハンス・ウェグナー展 至高のクラフツマンシップ」が、ちょうど今、渋谷ヒカリエで開催中。

家具好きなら気にならないはずがありません。私も次の休みにふらっと見に行こうかな〜なんて思っています。

椅子だけでも約160点を揃える、織田憲嗣さんの貴重な“織田コレクション”ももちろん気になりますよね。

でも実は、経堂店にもレアなウェグナー作品が入荷しているんです。

北欧デザインの真髄

それがこちら！

デンマークの名工房 “RY Mobler” が手がけたシステムボード「RY15＋RY5」です。

言わずと知れた巨匠ウェグナーがデザインし、幻の名工房と呼ばれた RY Mobler が製造を担当した、まさに“最強タッグ”の名品。

年々現存数が減っていることからも、その希少価値の高さが伝わりますよね。

椅子やソファの印象が圧倒的に強いウェグナーですが、だからこそこのシステムボードは、本物志向のビンテージファンが見逃せない逸品。

しかも今回入荷した個体は、背面にしっかりと「RY」のスタンプが残っていて、コンディションも抜群です。

キャビネットからチェスト、サイドボードまで、幅広い仕様が存在する RY Mobler のシリーズですが、今回入荷したのは「RY15 キャビネット」＋「RY5 シェルフ」の組み合わせです。

どちらもウェグナーらしく、直線を基調とした無駄のないミニマルな佇まいが魅力。

細部にまで美しさが宿っていて、見るほどに惚れ込んでしまう仕上がりです。

上部のシェルフ「RY5」はオーク材で構成されており、経年変化でほんのり飴色に育った木肌が実に美しい一品。

オーク特有のワイルドな杢目も、時間を重ねることで柔らかく上品な表情に。

今回は、棚板が1枚だけの仕様。まるで「ここを好きなように飾ってみてごらん」と巨匠ウェグナーに囁かれているような、そんな余白のある収納スペースです。

いざ、希少なビンテージに見合うものを飾ろうと、店内にある小物をディスプレイしてみたところ、これがもう抜群に映えまくり。

いつもショーケースの中にいるバードたちも、どことなく誇らしげに見えるほどです。

対して、下段のキャビネット「RY15」は観音扉式の隠す収納。

扉の全面にたっぷりとチーク材を使った、なんとも贅沢なつくりです。

さらにその扉はブックマッチで木目がきれいに左右対称に揃えられていて、思わず見入ってしまうほどの美しさ。

ウェグナーの必要最小限まで無駄を削ぎ落とす哲学は、もちろんストレージアイテムでも健在。

派手な装飾は一切ありませんが、素材と仕上げの上質さがあるからこそ、まったく物足りなさを感じません。

むしろ、この静かな存在感こそが魅力です。

そして、その美しい木目を邪魔しないよう、ハンドルはぐっと控えめにデザイン。

とはいえ、ウェグナーは細部で決して手を抜きません。

真鍮製の小さく薄い把手は、正面から見るとほとんど存在を消していますが、近づいて開ける瞬間にそのかわいらしいフォルムがふっと現れます。

指を引っ掛けてスライドさせることで簡易ロックがかかる仕組みも実用的。

真鍮ならではの経年変化も加わり、木部と共にぐっと味わい深い佇まいに育っています。

気になる内部はこのようなつくり。

棚板は庫内中央の材をぐるりと回り込むようにシェイプされています。

細部へのこだわりが本当にすごいですよね。

棚板はダボで高さ調整ができるため、収納したいものに合わせてフレキシブルにアレンジ可能。

布ものや雑貨など、実用性もしっかりありつつ、見た目にもおしゃれにまとめられそうです。

シェルフとサイドボードとして別々で使うなんてのもおすすめですよ。

デザイン大国デンマークで生まれ、北欧家具の魅力をぎゅっと詰め込んだような特別なビンテージアイテム。

やっぱり、このシステムボードも気になっちゃいますよね？

大型の収納家具ゆえに買い替えが少なく、市場に出回ること自体がかなりレア。まさに出会えたら奇跡の一品です。

経堂店に足を運んでいただければ、ウェグナーの奥深いデザイン哲学を存分に味わえますよ。

写真では伝わりきらない存在感や素材の美しさを、ぜひ実物で感じてみてください。