MODERNICA
Impala Sofa
分かりやすく寒の戻りがやってまいりました。今は三寒四温の何番目くらいでしょうか。
とはいっても暦の上では三月下旬という事で、そこまで寒さが身に染みるという感じはしません。
最寄りの公園ではなんと、フラゲならぬフライングオープン(と言うのかは分かりませんが)の桜の花が。
そして家の扉の前では親子が写真を撮っていました。二人ともニコニコ。これが新しい「門出」なのだと傍目にも分かる、春らしいイベントに溢れています。
気持ちの良い春の空気もすぐそこ。
今回ご紹介のアイテムも、お部屋に新しい空気を運んできてくれるかも知れません。
今でもスタイリッシュ
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モダニカ。アルファベットにするとMODERNICA。モダンというこれまでの伝統とは一線を画すその概念に魅せられた創業者らによって設立されたファニチャーブランドです。
おおよそ1950年から1970年代ごろまでの頃を俗にミッドセンチュリーと呼びますが、その時期は世界二次大戦からの復興の気勢に溢れた時期。
戦争によって失われてしまったものを取り戻し、さらには上回るように多くの人が知恵を寄せあい切磋琢磨していたこの時期に作られたアイテム達を、現代に蘇らせている人気ブランドです。
モダニカの一番有名と言えるエピソードとしては、イームズのシェルチェアに関するものがあります。
1950年に発売されたミッドセンチュリーデザインのアイコンとも呼べるシェルチェア。一体型のシートデザインを叶えるために新しく採用された素材はガラスファイバー入りのプラスティックでした。
当時の革新的な1脚は1980年代ごろには環境問題、そしてプラスティック自体の技術の進歩もあり、安価なプラスティックのみの家具にとって代わられてゆきます。
当時の高品質なシェルを製造していたゼニス社の工場もそれに合わせて稼動を停止。これによって風前の灯となっていたシェルチェアに手を差し伸べたのがモダニカです。
ゼニス社からシェルを製造する機械を受け継ぎ、当時の技術者を探し出して製造監督として招きました。原料も同じ企業から仕入れ、当時を限りなく再現するという脱帽ものの情熱。
それだけ、アメリカのミッドセンチュリーに代えがたい魅力を感じていたというところを強く思う事が出来ます。
今回のソファもそんなミッドセンチュリーに製造されたアイテムを、モダニカが蘇らせた1台です。1950年代にシェルビー・ウイリアムス社が発表したインパラシリーズ。
インパラとは主にアフリカ南部に生息するウシ科の生物。サバンナにいる草食動物がシリーズ名に取られています。
胴体の割に華奢さを感じさせる細い脚がこのソファに於いても表現されています。とはいえアルミのダイキャスト(鋳造)のため強度は十分。動物のインパラなら4本である脚も、5本に出来るのはある意味家具ならではのチョイス。より安心して使えます。
足先の膨らみはひづめでしょうか。グラマラスに絞られた脚部に乗ったボリュームたっぷりのシートが生き物に見えるような素敵なコントラストです。
座面の幅は約125センチと2人が余裕をもって腰掛けられるサイズ感。小さなお子様でしたら3人掛けも出来そうです。
座面奥行きは真ん中の深い箇所で約42センチ。気持ち深めな座り心地に感じるのですが、背もたれのクッションが腰回りを支えてくれるため、デザイン性だけではない嬉しい気持ち良さがあります。
見た目にも伝わるボリューミーなウレタンの下にはスプリングがあるので、フカフカとバインバインが上手くミックスされた座り心地を提供してくれます。
どうでも良いところですが、擬音にすると何故か愉快な感じになってしまいますね(笑)。
当時の最先端であったモダンなアイテムは、50年以上が過ぎた今では違和感なく取り入れられるクラシックの一つになっています。
それでも、ありきたりに埋もれる事を拒否するようなユニークなデザインは、当時のデザイナーの挑戦があったからこそ実現したフォルム。そのエネルギーは好奇心の様に今でも使う人の背中を押してくれます。
記憶に刻まれた名品だからこそ、途絶えなかった1台。ちょっと人とは違う事にワクワクしたい人へ。
このソファをオススメ致します。