MINERVA
Zo chair
本日は、唯一無二のデザインアイテム「ミネルバ MINERVA ゾウ チェア Zo chair」のご紹介です。
その名の通り"像"のようなフォルムが特徴的な一脚となっておりますが、別名"ぬいぐるみのチェア"の愛称でも知られる、空間の中でもとびきりアイコニックな存在感を放つ一脚です。
背伸びを支えて
イタリア生まれの名門モダンファニチャーブランド "アルフレックス" の依頼により、建築家/プロダクトデザイナーとして世界的に活躍する"黒川雅之"がそのデザインを手掛けた「Zo chair」。
一目見だけで色々なコトバが浮かんでくるその姿。
"ずんぐりむっくり"と呼べば良いのでしょうか。もちもちふわふわとしたカタチ。
そんなフォルムをベースにしながらも、背もたれと脚部の長さの対比によって生み出される絶妙なスタイリッシュさ。不思議と抜け感に富んだ造形です。
また脚部のまあるいフォルムに対し、背座の座面はスッキリとエッジが立っているので彫刻的な陰影も楽しませてくれます。
1980年代のデザインとは思えない、都会的な要素がたっぷりと感じられる見事なデザイン観です。
Zo chairの試作には、日本初にして唯一の腕を持つ家具モデラ―、椅子製作において世界中の名デザイナーからのリスペクトを集める "宮本茂紀" が携わっており、このチェアならではの魅力の一つとしてご紹介できるポイントとなっております。
家具モデラ―とは、デッサン等のデザインから実際にプロトタイプを製作する、いわばデザイン家具作りのプロフェッショナル。
特にチェアにおいては"人の身体感覚に直接触れる"という要素が大きく反映される為、実際に使っていて不具合が起きない事は勿論、座ってみた際にも心地良く魅力的なものである事が求められる為、その作業には大変な技量と能力が必要となります。
デザインを手掛けた黒川雅之氏によると、通常このようなもちもちふわふわとしたフォルムのチェアは重量が重くなり、更に長年使っていくにつれて生地が伸びて安定しない傾向にあるのだとか。
しかしこの Zo chairではそういった不安定な要素が見事にカットされ、丁度良い重さ、そしていつまでも美しいフォルムを保つチェアに仕上げられています。
「椅子の神様」とさえ呼ばれる事で有名なモデラ―宮本茂紀氏。
黒川雅之氏がデザインに込めた拘りを忠実に汲み取りながらも、魅力的なクオリティを併せ持つ家具としてアウトプットされた完成度の高さ。宮本茂紀氏ならではの経験と業が遺憾なく発揮された一脚と言えるでしょう。
Zo chair がアルフレックス社で製造販売される事はありませんでしたが、数年後にはこのプロトタイプを購入したいという問い合わせが直接黒川雅之氏に入った事をきっかけに、宮本茂紀氏が所属するミネルバ MINERVAから製造販売されることとなります。
艶感のあるレザー仕様が一般的なものとなりますが、今回入荷した一脚はベロア生地を纏った仕様。
マットな風合いにふんわりした手触りが加わる事で更にぬいぐるみ感が増し、何処かクールな装いにも感じられます。
ベロア生地の中でもブラックカラーは現在廃番となっており、今後希少性を増していくと思われる一脚。こちらのカラーをお探しの方もいらっしゃるのではないでしょうか。
ダイニングには勿論、ラウンジチェアとしても抜群のアクセントを添えてくれる「Zo chair」 。
黒川雅之氏はこのZo chairを "ぬいぐるみのチェア" から更に別の言い方で「座布団の立体版」とも表現しており、曰く「座布団が一生懸命背伸びをしている」のだそうです。
その表現からはまるで "足を生やそうと躍起になっている座布団" をデザイナーやモデラ―が支え 見守っているかのようにも感じられる、そんな素敵なお話でした。
様々な人々の想いによって生み出された一脚を、お使いの空間のメインアイテムとして。是非この機会にご検討くださいませ。