Fritz Hansen
DROP CHAIR
20世紀のデンマークデザインを代表する建築家兼インテリアデザイナー、アルネ・ヤコブセン。
同氏が手掛けた家具と言えば、販売数が500万脚を超えるセブンチェアがあまりにも有名ですが、セブンチェアを含めた数多くの名作に共通するのは、全て有機的で一目見れば忘れられない曲線を持った家具、ということ。
本日ご紹介するのも、1958年にデザインされ、現在もなお色褪せない豊かな曲線を携えたヤコブセンの名作チェアです。是非最後までお付き合い下さいませ!
ヤコブセンの曲線
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1960年、デンマークのコペンハーゲン中央駅近くに完成したSASロイヤルホテルは、ヤコブセンが建築や家具、ドアノブに至るまで関わるもの全てのデザインを手掛け、名作エッグチェアやスワンチェアもこのホテルのために作られたことで知られています。
今回入荷したドロップチェアも当時ホテルの化粧台用チェアとして使用するため約200脚のみ製造されましたが、その後長らく一般販売されることはありませんでした。
しかし、製造元であるフリッツハンセン社の「歴史的作品の数々を大切にしていきたい」という意向から、2014年、オリジナルの布・レザー製フルパディングモデルと共にプラスチックモデルが新たに加わり、再び製造が開始されました。
その名の通り背もたれが三角形のしずく型になっているシート部分は、プラスチック製ならではの自在な成形技術によりポップなシルエットを描いています。
意外にも背もたれ後面にはほぼ傾斜が無く、シートに厚みを持たせることで身体の触れる前面に緩やかなカーブが付き、身体の曲線に沿ってぴったりとフィットするような座り心地です。
座面はボウルのような形状のため膝が自然にやや上を向きますが、背座一体型とは言え一般的なダイニングチェアの着座時と同じような体勢になるので、併せるテーブルも自由に決めて頂けると思います。
シート部分にばかり目が行きがちですが、脚部の端正さも見所の1つ。すらりとしたスチール製の4本脚がハノ字に広がり、しっかりと支えてくれます。
ノル社のフルカバーリングダイヤモンドチェアなどにも言えますが、レッド系カラーのシート×スチールレッグはモダンで美しい鉄板の組み合わせですよね。
シートはプラスチック製、脚部はスチール製のため耐久性も高く、リビング・ダイニングだけでなくキッチンや洗面所など水回りでもお使い頂けます。
もちろん後ろ姿のシェイプも見逃せません。スワンチェアやエッグチェアはテーブルに収めることの無いラウンジチェアですが、ドロップチェアはテーブルに差し込みやすいチェアなので、後ろ姿も重要ですよね。
花弁のようにも見える背や座面の有機的な形は個性的でありながら親しみやすくもあり、不思議な魅力を持っています。同じくユニークな背もたれのセブンチェアやアントチェアと組み合わせても面白そう。
上に行くにつれてすぼまるフォルムはダイニングシーンの密集度を下げてくれるので、ゆとりのあるシンプルな空間を作りたいという方におすすめです。もちろん1脚だけをぽんと配置しても主役になってくれるチェアなので、お一人暮らしの方もお部屋に取り入れやすいデザイナーズチェアだと思います。
本日はアルネ・ヤコブセンの手掛けた名作チェアの1つ、ドロップチェアのご紹介でした!
ホテルのために作られたからか、はたまたしずく型のフォルムからか、どこか非現実的な印象を持つドロップチェア。
お部屋に新たな風を吹き込んでくれるようなインテリアをお探しの方、是非ご検討下さいませ!