ビーライン B-LINE ボビーワゴン Boby Wagon 3段5トレイ ジョエ・コロンボ ~ジョエ・コロンボって、やっぱり変な人だ。~

UPDATE: STAFF:けんしろう
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B-LINE
Boby Wagon-White 3段5トレイ Designed by Joe Colombo

ジョエ・コロンボって、やっぱり変な人だ。

彼の家具を見ていると、たまにそんなことを思います。 1960~70年代に活躍したイタリアのデザイナー、ジョエ・コロンボ。

ミラノ生まれで、もともとは絵画や建築を学びながら、やがてプロダクトデザインへと領域を広げていった人物です。 

インダストリアルデザインの文脈ではかなり重要な存在で、「家具をつくる」というよりも「これからの生活そのものを設計しようとしていた人」と言ったほうが近いと思います。

だからなのか、彼が手掛けた家具を見ていると、ただ形のきれいなものをつくろうとしていたようには思えません。

そこには、使う人の動きや、これから変わっていく暮らし方まで考えたような仕掛けがいくつもあります。

機能性だけでなく、遊び心や変化する仕組みまで取り込みながら、固定された形ではなく、「使い方が変わること」そのものをデザインしている。

そして、その考え方がとても分かりやすく表れているのが、今回紹介するボビーワゴンです。

「どう使うか」から形を考える。ジョエ・コロンボとボビーワゴン。

収納するための家具なのに、普通のキャビネットとはずいぶん違う。
丸みを帯びた本体に、側面にはいくつもの穴。引き出しのようなトレイが組み込まれ、さらにキャスターまで付いている。
改めて見ると、やっぱりちょっと変な形です。 でも、これを見ていると、コロンボが「変わった家具を作ろう」と考えていたわけではないことが分かってきます。 

彼が考えていたのは、家具そのものの形というよりも、その家具を使って人がどう暮らすのかということ。 

収納するだけなら、もっと単純な箱でもいいはずです。

けれどボビーワゴンには、物を仕分けるためのトレイがあり、側面からも物を取り出せるようになっている。そしてキャスターが付いているから、必要になれば家具ごと別の場所へ動かすこともできる。 

「収納する」というひとつの役割だけで終わらず、使う人の動きに合わせて家具そのものがついてくる。
この発想が、1970年に発表されたボビーワゴンの面白さなんだと思います。

コロンボが活動した1960~70年代は、暮らし方そのものが大きく変化していた時代でもあります。
そんな中で彼は、それまでの家具の形にとらわれず、これからの生活にはどんな家具が必要なのかを考えていた。
そう考えると、ボビーワゴンの少し未来的にも見える姿にも納得できます。

そして面白いのが、それから50年以上経った今見ても、このワゴンがあまり古く感じられないこと。
むしろ今の暮らしのほうが、ボビーワゴンの考え方に合っているような気さえします。
デスク周りに置いて、文房具やPC周りの細かなものをまとめる。ソファの横に置いて、本やリモコンなどを収納する。
あるいは、趣味の道具をまとめておいて、作業するときにワゴンごと移動させたりして。 

僕がコロンボのデザインに惹かれるのは、発想の出発点がとても個人的なところです。 
以前、彼のデザインしたポーカーテーブルに強く惹かれたことがありました。
ポーカーとたばこを好んだ自身の嗜好をそのまま反映して、テーブルに灰皿まで組み込んでしまう。 

自分が好きなもの、こうしたいと思うことを、そのままプロダクトにしてしまう。そこに、僕はコロンボらしさを感じます。 

そう考えると、今回のボビーワゴンもやっぱり面白い。
ワゴンというプロダクトを、ただ物を運ぶためのものとして考えるのではなく、必要なものにすぐ手が届き、その場で使えるようにする。

収納というより、使う動作そのものを設計した道具です。

インダストリアルデザイナーでありながら、プラスチックという素材を使い、家具のあり方そのものを広げていったジョエ・コロンボ。 やっぱり、変な人だ。

でも、その”変さ”は正しかったと言えます。


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