Aobayashi Seisakujo
Dining Chair of Teak Wood
12月に入ったと思ったらあっという間に月半ば。冬の寒さも本格化して、底冷えしないように対策が必要になってきますね。
ヒートテックなんかは今では一般的ですが、私がここ数年愛用しているのがレッグウォーマー。
高級なものではありませんが、ウールのニットでふくらはぎを覆うタイプのもの。
ボトムスの下に付けていると正直ボリュームはあるのですが、やはり足元が保温されていると体の調子も段違いです。
皆様は自分ならではの寒さ対策はありますでしょうか。
今回は日本ならではの、温かみのあるチェアのご紹介です。
生き物が保つぬくもり
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ビンテージと呼ばれるアイテムのうち、ミッドセンチュリーと呼ばれる1940~1970年頃にかけて、家具をはじめとしたインテリアには優れたデザインが生まれました。
第二次世界大戦の終結後、紆余曲折はありますが各国の生産力は増強し、軍用技術の転用により新しい製造技術が家具にももたらされ、新しいデザインが追求されてゆきました。
日本にもその波は訪れます。剣持勇、渡辺力、柳宗理らをはじめとする優れたプロダクトデザイナーが、椅子のコトブキや天童木工といった企業の新技術を通して製造したアイテムは、現在でも販売が続けられるものもあるほどの完成度を誇っています。
剣持勇であればドイツのブルーノ・タウト。柳宗理であればシャルロット・ペリアンと、国が力を入れて招聘した世界屈指のモダンデザイナーとの交流があったこ事も日本にとっては大切な要素であったといえるでしょう。
優れたモダンプロダクトが多く作られた中で、根強い人気を保っていたのが北欧の温かみのあるアイテム。
現代に比べ木造建築が多い当時、金属やプラスティックといった新素材のアイテムに比べて温かみのあるアイテムは、西洋の暮らしを取り入れる際には良い候補。
クラフトマンシップが感じられる良質な家具を日本でも作り上げようと様々なメーカーが挑戦してきました。
青林製作所はその中でも、日田工芸や山品木工と並び人気の高いメーカー。
主に百貨店で取り扱いのあった高級な家具ではありましたが、日本らしい精緻な造りと貪欲に吸収していた西洋のデザインセンスが1970年代には結実し、2020年代の今日でもお探し方も多いアイテムとなっています。
今回はダイニングチェア。高級木材であり、北欧家具の代表材と言えるチーク材がたっぷりと使用されています。デンマークのメーカー、J.L.モラーの影響を伺わせる柔らかなラダーバック。背もたれのてっぺんにある笠木は後ろ脚と綺麗に接合されていて、これだけでも高い指物技術を感じさせます。
水平に渡されたパーツの杢目を揃えるだけではなく、ねじれの起点になりやすい箇所をカバーする優れたディテールです。
そして日本らしさを感じるのはサイズ感。ゆったりと座れるシートがありながら、幅約47センチ、奥行48センチといずれも50センチ以内に収まっています。そのシートもウレタンシートにウェービングが張られていると思われ、底つきの無い安心の座り心地。
フレームを補強する貫が前面に無いのも、足の動きに干渉しない使用者目線の設計と感じられます。
日本で暮らす人々が、安心して生活に取り入れられる1脚。なのに、デザインは美しい。
お探しの方がいるのも良く分かる、本場の北欧家具に引けを取らない良作です。
冷えた手足にも優しい、木の温もりを楽しめる椅子。お探しの方はこの機会にいかがでしょうか。