Knoll
Pollock Chair
米国ハーマンミラー社と並んでアメリカのミッドセンチュリーモダンを代表する家具ブランド"ノル Knoll"。
1938年の設立以来、ミース・ファン・デル・ローエやエーロ・サーリネン、ハリー・ベルトイアなど数々の巨匠によるデザインを輩出しており、「同社の歴史は、そのまま近代デザイン運動の歴史でもある。」とも評されるなど高い人気を誇ります。
本日はそんなノルから、異素材を重ね合わせたモダンなチェアのご紹介です。
異素材を重ねて
こちらは同社から1965年に発表された「ポロックチェア Pollock Executivechair」。
"エグゼクティブコレクション1250"の内の一つとしてデザインされたこちらは、素材と輪郭の美しさを巧みに活かしたスタイルで、確かな剛性と高いデザイン性から今日に至るまで同社を代表するチェアとして広く知られています。
デザインを手掛けたのは"チャールズ・ポロック Charles Pollock"。
巨匠ジョージ・ネルソンとの協働でも知られる同氏は1930年に米国で生まれ、ニューヨーク州ブルックリンのプラット・インスティテュートを卒業後、ジョージ・ネルソン事務所で家具の開発に携わりました。
その後、ノル創業者の妻フローレンス・ノルに自身のポートフォリオを持ち込んだ際、その革とスチールを組み合わせたデザインに将来性を感じたヴィンセント・カフィエロからデザインの継続を促され、1961年には代表作の1つとなる"657ラウンジ"を発表しました。
一体成型のシェルをベースにしながら、そのリムにポリッシュドアルミ製のバンドを合わせた構造のポロックチェア。
"リムテクノロジー"と名付けられたこの構造は、シェルとクッション、ファブリックを固定しながら、椅子を保護するためのバンパーとしての役割も担っています。
また、このリムは座面とシェル部分を視覚的にも繋いでおり、デザインの統一性を高めることでよりモダンな風合いに仕上げられた一脚です。
今回入荷したのはファブリックを備えたモデル。落ち着きのあるグレー系のファブリックでシックな風合いを演出しつつ、曲線的な造形やボタン留めがあしらわれた背もたれ、座面など温かみのあるデザインに仕上げられています。
また、シートにはアームを備えるほか、360°自由に回転させることが可能となっており、デスクでの作業等にもお使い頂けるデザインです。
脚はリムと同様に光沢のあるポリッシュ仕上げとブラックにペイントされたアルミのツートンカラー。
また、脚先にはグライズを備えており、床面を保護しながら確かな安定感のある掛け心地を実現しています。
モダンな素材感とシルエットに、シックなディティールを組み合わせたノルのポロックチェア。
デスクチェアとしてはもちろん、リビングや書斎でゆったりと寛ぐにもぴったりの一脚です。
発表から60年が経過してもなお、洗練されたモダンな空間を演出してくれる逸品をこの機会にぜひ。