秋田木工 Akimoku
Oval Wall Mirror
朝起きた時、出掛ける前、出先で身だしなみを整える時、大事なイベントの前、家に帰って来た時、お風呂の時...
毎日の生活の中で、誰もが一度は鏡を目の前にするのではないでしょうか。
古くから人々の生活と深くつながってきた鏡、一日のリズムを作る上で、とても重要な役割を果たしているような気がします。
毎日使うからこそ
本日ご紹介させていただくのは日本屈指の曲木加工技術を持つ老舗家具メーカー“秋田木工 Akimoku”より「小判型ウォールミラー」。
秋田県湯沢市で創業された老舗家具メーカー“秋田木工 Akimoku”。1910年の創業以来、日本で唯一「曲木」と呼ばれる技術を専門として、100年以上の歴史を築いてきた家具の工房として知られています。
同社の高い技術力は名だたるデザイナーに愛されており、伝統を大切にしながら現代の生活にあったデザインへ挑戦し、名作とも呼べる数々の作品をつくり上げてきました。
ウォールミラーの紹介の前に「曲木」についてのご紹介を少しだけ。
秋田木工の歴史を語る上で忘れてはならないのが、“曲木”と“ミヒャエル・トーネット Michael Thonet”というワード。
トーネットが1900年初頭に発明した、天然の無垢材を煮沸後、鉄の金型に沿って曲げて成型する“曲木加工”の技術。
この技術によって、これまでの椅子とは一線を画す美しい曲線を描く曲木椅子を多く生み出し、「モダンスタイルの原点」と呼ばれるものを作りました。
トーネットの曲木技術が日本に輸入されて以来、立体的な曲木の正当な継承者として、確固たる地位を築いたのが秋田木工なのです。
デザインを手掛けたのは、第二次世界大戦後に日本のモノづくりにおける重要局面に於いて、長大作や剣持勇、水之江忠臣や渡辺力等と共に「ジャパニーズモダン」と呼ばれ、日本のインテリアデザインの草創期を築き上げたパイオニア“柳 宗理”。
バタフライスツールやコトブキのシェルチェア、エレファントスツールなど誰もが知る名作を残し、1950~60年代の戦後復興から高度経済成長期のモダンデザインを支えた、日本を代表するデザイナーです。
「美は人々のためにある」という考えのもと、使い勝手の良さや美しいフォルム、長年愛用できる純粋でシンプルデザインの作品を数多く生み出し、1977年にデザインされたこちらの鏡もその多くの作品の一つとなっています。
今回入荷したのは60×75cmの特大型サイズ。現在では生産されておらず、ビンテージでのみ手に入れる事の出来る貴重な仕様となり、壁に取り付ける引っ掛け金具も付属。
側面は真っ直ぐ立ち上がり、鏡面に向かって流れるような緩やかな曲線のフレームは良質なブナ材から作られており、滑らかな質感と確かな強度が感じられます。
古代色と呼ばれる赤みを帯びたブラウンのフレームは、継ぎ目が分からないほど丁寧に仕上げられ、秋田木工の技術力の高さは正に日本の職人芸と言えます。
過度な装飾はなく、シンプルなデザイン故にブナ材フレームの質感や色合いが引き立ち、和洋問わず幅広いインテリアテイストに溶け込んでくれる一枚。
毎日使うものだからこそ、無駄を削いだデザインにすることでいつまでも飽きる事無く、永く使い続けていく事ができます。
日本のミッドセンチュリーデザインの定番アイテムと言える、柳宗理デザインのウォールミラー。
新生活シーズン真っ只中のこの時期、名作ミラーで身嗜みを整えて、清々しい気持ちで1日を始めてみてはいかがでしょうか。