宮崎椅子製作所
kuku Chair
この仕事に就いてから毎日のように新しい家具を見ますが、デザインや素材など完全に同じ!というものはなかなか無いように感じます。
それにデザイナーやメーカーのアイデア、知識、技術など常に挑戦し生み出されるものは唯一無二の美しさがあります。
本日はそんなデザイナーとメーカーの挑戦によって生み出されたチェアのご紹介です。
生活に寄り添う美しいチェア
今回ご紹介させていただくのは1969年創業、四国・徳島の家具メーカー ”宮崎椅子製作所”の「クク kuku」ダイニングチェア。
「椅子という成果を実らせる一本の樹であり、他社には真似出来ない家具作り」という企業コンセプトの基、良質な木材と伝統的な家具職人の技術力により、高品質の家具づくりを実現しています。
また2008年にはデンマークを代表する巨匠デザイナー"カイ・クリスチャンセン"による「No.42 チェア」と「Paper Knife ソファ」の復刻生産を手掛けるなど美しいデンマークデザインを再現。
手仕事と機械加工を融合させた真似できない椅子造りは、日本のみならず海外にも定評があります。
木肌が美しく耐久性抜群のウォールナット材を使用した「クク kuku」ダイニングチェア。
この美しいデザインを生み出したのは、箸置きから建築まで生活に関わる全てのデザインを手掛け、武蔵野美術大学の教授も務めているデザイナー“小泉 誠”氏。
360°どの角度から見ても絵になるフォルムは、一目見ただけでも品質の高さとデザインへの拘りを感じさせます。
椅子を斜め前から見た時、背もたれから脚部に掛けてのフレームがひらがなで「くく」と読むことが出来るのが名前の由来だそう。
見る角度によっては宙に浮いているようにも見える背もたれは、カンチレバー構造ならではの適度なしなりが心地よく、見た目以上にリラックスできる快適な座り心地を実現。
腰を掛けてみるとソフトな座り心地のファブリッククッションは、程良く湾曲した背もたれと相まって、包み込まれるような感覚を味わうことが出来ます。
後ろから前に傾斜した絶妙な角度のアームは、着座の際に自然と腕を預けやすく、椅子から立ち上がる際にも握りやすい構造に。
また、座面の高さが約41cmと一般的なダイニングチェアに比べて低くお子様やお年寄りの方でも安心してお座り頂けます。
深みのあるウォールナットカラーとファブリックのチャコールグレーのコントラストは、空間に落ち着いたモダンな雰囲気を演出し、様々なインテリアテイストに合わせやすい一脚に仕上がってます。
デザイナーの小泉氏が宮崎椅子製作所さんに「こんな椅子、出来ないですよね~」とちょっぴり挑戦をして出来上がった「クク チェア」。
デザインの良さと素材や機能性の良さの共存は素晴らしく、デザイナーの美学とそれを挑戦し、実現する職人の技術力を十分に感じられる逸品です。