muuto
Cover Side Chair
時代が進んで、量産出来るものや簡易的に作れるものの需要が増え、失われつつある良い造りの家具や伝統的なデザイン。
そんな時代の中でも伝統的なデザインを残しつつ、新しい素材やアイデアを取り入れたアイテムを生み出しているブランドがあります。
本日はそんな新たな視点や変化を取り入れたブランドのダイニングチェアをご紹介させていただきます。
ニューノルディックなハーフアーム
2006年に設立されたデンマーク・コペンハーゲン発の家具メーカー“ムート Muuto”。
北欧の新進気鋭デザイナー達とタッグを組み、家具・照明をはじめ、食器やインテリア雑貨など幅広いプロダクトを開発。
よく聞く北欧の老舗メーカーと比べるとまだ認知度は劣るものの、シンプルかつナチュラル、それでいて機能性・実用性を兼ね備えた伝統的な北欧デザインに、大胆な発想や新たな視点、先進的な技術・素材使ったプロダクトはモダンデザイン界に衝撃を与えています。
今回ご紹介するのはナチュラルなオーク材を使用した“カバーサイドチェア Cover Side Chair”。
薄い合板素材を使用し、フレームとベースにしっかりとした堅実な雰囲気を持たせることで、デザインに鮮明で現代的な表現を与えたいと考えて作られたそう。
デンマーク出身のデザイナー“トーマス・ベンゼン Thomas Bentzen”がデザインを手掛け、「典型的な木製チェアに現代的な視点を取り入れたい」という思いからから生まれました。
現代までにも多くの著名なデザイナーが発表してきた、ハーフアームデザインのダイニングチェア。
例えばウェグナーの「CH24 (Yチェア)」や「PP701」、カイ・クリスチャンセンの「No.32(ネイルチェア)」や「No.42」、ハンス・オルセンの「model.107」等、他にも様々なハーフアームのチェアがありますが、このカバーサイドチェアも過去の名作たちの影響を受けた面影が見受けられます。
最大の特徴は、優しく身体を包み込むなめらかなカーブを描く背もたれとアームレスト。
包み込んでくれるような背もたれは着座時に身体に寄り添い、折り畳まれたようなアームレストの位置も程良く、安定感のある座り心地を実現しています。
さらに、接合部分はネジを一切見せない工夫が施されているほか、同一のチェアであれば最大4脚スタッキング可能と、まさに用と美を兼ね備えた1脚と言えます。
どんな空間にも馴染むニュートラルなカラーリングは空間に柔和な雰囲気を与えるだけでなく、座面のイエローは程良いアクセントに。
フィンランド語で“新たな視点”や“変化”を意味する「ムートス(Muutos)」に由来して付けられた“ムート Muuto”というブランド名。
その名に相応しく、あたたかくも新しい、ニューノルディックスタイルなダイニングチェアのご紹介でした。