Marc Newson
Orgone chair
こんにちは。最近は家にいる時間が増え、いつもに増してデザイナーの書籍や色々なインテリア模様をウェブであったり雑誌等で見ています。皆様はいかがお過ごしですか?
私はあれが素敵、これも素敵と目が右往左往しておりますが、素敵だなと思える人の部屋模様にはその人の、置いてあるアイテムに対する「意思」を感じられるものが多い事に気が付きました。高価なアイテムをただ並べるだけではなく、それぞれのアイテムに共感する事や立ち位置をしっかりと定めて愛着を持つ。それが写真や言葉の端々から感じられるように思います。
デザイナーは自己の内面と向き合いプロダクトを創り上げています。それに魅力を感じるならば、アイテムを使う側としてはそのアイテムを選んだ「自分ルール」がしっかりとある事が大事なのだと考えるこの頃です。
難しく考えていますが(笑)、気に入ったアイテムを選んだ理由、それを自分なりに分かっている事が大切ということです!
今回ご紹介するのは、様々な「自分ルール」に訴えかけるたくさんの魅力を持った現代の椅子。オルゴンチェアです!
何を見る?何に見える?
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こちらのチェアのデザインを手掛けたのはマーク・ニューソン。
現代のプロダクトデザインを語る上で外せない人物です。
氏はオーストラリアのシドニー生まれ。
インテリアではイタリアのFLOS、Cappellini、MOROSO等著名な家具ブランドでのデザインを行い、日 本でもIDEE、KDDI、ペンタックス、味の素(!)など多く企業での実績を残しています。
また、2014~2019年にはアップル社のデザイン部門の要職をつとめ、アップルウォッチ製品に関わったとされています。普段私たちが使っている物の中にはひょっとすると氏のデザインがあるかもしれない。。それほど現代シーンに大きな影響を与えている人物です。(2005年のTIME誌では「世 界で最も重要な100人」に選ばれています!)

このオレゴンチェア。もともとは1993年にアルミニウム素材のものが発表されたのが最初ですが、カルティエ財団のために作られたバッキー(BUCKY)チェアを新しいプラスティックで作る際に採用された、回転成形(rotation moulding)という手法で新たに製造されたバリエーションとなります。コストを下げ多くの人に手にとってもらいたいという氏の要望を叶え、またプラスティックを用いる事で屋外利用も可能となった画期的なチェアです。

スペースエイジを感じさせる曲面が印象的です。潔く空間を切り取るシート両端の直線が全体の流動的な印象に緊張感を加え、単体での存在感を引き立てています。一体成型のため強度もあり、またプラスティックのしなりを感じる事も出来ます。

そして目が行くのが大きな開口部。覗き込むと緩やかな陰影が脚部に掛けてついており、吸い込まれそうな景色を見せてくれます。私は先の見えない暗い洞窟を見た時の空間の拡がりや、SFでよくある時空の歪みを連想しますが皆様はいかがでしょうか?見方を90度変えると大きな蝶ネクタイにも見えます。
「自分ならこう見える」そんなものの見方を楽しめるチェアです。

座面の両端が上がっているため、体が自然とシートの中心にまとまりコンパクトな座り心地。
3本脚なので寄り掛かり過ぎにはご注意ですが、横向きに座っても収まりがよくサマになる椅子です。

全体のデザインとしては同じ意匠をIDEEのウィッカーチェアでも見る事が出来るので、氏の中でも愛着のあるモチーフなのかもしれません。ウィッカーチェアはラタン素材ですが、スペースエイジを感じるならこちらのチェアがオススメです!
今を活躍するからこそビビッとくるマーク・ニューソンのアイテム。そんな“現在進行形”の雰囲気を感じる事の出来るチェアをお探しの方はいかがでしょうか?中々見かけることの無いアイテムなので、気になる方はどうぞお早めにご検討下さいませ!
