Ny chair X
生活に根付いてこそ光る椅子。長く座れる。安心して快適に寛げる。そして、何よりもずっと好きでいられるデザイン。
今回ご紹介致しますのは、それらすべてを兼ね備えた一脚。
日本で生まれて国内だけでなく、海外でも広く親しまれた椅子 “ニーチェア” をご紹介致します。
「心地よく、丈夫で、とことん安く。」
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ニーチェアの原型が生まれたのは、今から70年ほど前。新居猛氏によってデザインされました。
その手に取りやすい価格と秀逸なデザインから広く親しまれ、お店などでふと目にすることもあると思います。
MOMAの永久収蔵品に選ばれているNY チェア X(1970)は、2000年ごろには日本国内で60万代、海外で20万代もの数が世に出ました。

剣道具屋の3代目として生まれた新居猛は、元々家具や建具の修理・修繕や工芸品の製作を行っていましたが、北欧家具 Fritz HansenのAX チェアに出会ってから家具製作に打ち込んでいったそうです。
そして彼は、AXチェアのような座り心地や機能を備えたデザインでよりコストのかからない椅子を目指しました。
何度も試作を重ねることで、座り心地以外にも折り畳みの形式、安定性、軽量化、使用場所を選ばない利便性など様々な部分が改良されていくとになります。
始まりから終わりまでのデザインを全て自らの手で行う。凝り性の極みみたいな方ですね。素敵です。

今回入荷したNY チェア Xのキャンバスカラーは、レンガのような色味でどこか北欧家具のような温かみを感じられます。くすんだ赤とベースのスチール部分の光沢がかったシルバーの組み合わせも、派手になりすぎず美しいです。
生地は丈夫な帆布生地を使用することで安定感のある座り心地となっています。
また、ハンモックのような座面と、後頭部まである高い背もたれによってリラックスした状態で寛ぐことが出来ます。オットマンと組み合わせたらもう起き上がりたくなくなるでしょう。

より多くの人に使ってほしい。そのためのコストカットが折り畳み式になっている元々の理由なのですが、今ではその折り畳み式によって持ち運びがしやすいという点も魅力の一つです。
重量も6kgほどでそこまで負担になりません。
場所も取らないので、畳の上から車に積んでアウトドアのお供にまで愛犬のようにいろんなところに連れていけます。

シンプルさと美しいフォルム、そして機能的な側面を持つという点で、北欧家具に影響を受けた新居猛ならではの意匠が感じられます。
北欧家具に影響を受けたことで言うともう一つ。アームには自然を感じられるブナの木(ビーチ材)を使用していて、腕をつい置きたくなってしまうような円柱のフォルムが採用されています。
この部分は北欧家具のような温かみを感じられるポイント。一か所だけでも木を使用することで無機質な雰囲気を見事に払拭しており、丁度いいアームの高さも相まって一番気持ちのいい状態を作ってくれます。

日常のアイテムとしての家具。
日常で使うのであれば、便利なのはもちろん愛着を持てるに越したことはないですよね。
新居猛氏は「心地よく、丈夫で、とことん安く。いわばカレーライスのような椅子をつくりたかった」と言っていました。
カレーライスの部分を「自転車のように」と言っていたこともあったようです。
カレーライスも自転車もニーチェアも。皆さんの日常に何気ない幸せを運んでくれるものだと思います。
