Time & Style
stoneware sculpture
本日は、地域の緻密な土を使用し、脈々と受け継がれた石見焼の伝統技術で完成させた日本の美” タイムアンドスタイル / Time & Style“『 ストーンスカルプチュア stoneware sculpture サイドテーブル 』のご紹介♪
ひとりの職人との出会い
1990年にドイツ・ベルリンと東京・江戸川区に「プレステージ・ジャパン」として設立し、アメリカ、フランス、イタリア等、海外の家具見本市にも出展経験のある” タイム&スタイル / Time & Style “。
明治維新以降の機械生産によるモノづくりの歴史の中で失われていった精度の高い職人の手仕事に再び光を当て、機械製造では不可能な高精度の技術と精神性が宿る日本の「用の美」を、コンセプトとしています。
国内では六本木、新宿、二子玉川、南青山、大阪に店舗を構え、現在では日本国内に留まらず、アムステルダムやミラノ等、海外にもショールームをオープンする等、その拠点を世界に拡げています。
こちらは同社の人気プロダクト『 ストーンスカルプチュア stoneware sculpture サイドテーブル 』になります。江戸時代18世紀中頃から島根県西部(石見地方)で始まった石見焼(いわみやき)で製造されています。
製造を手掛けた嶋田窯は初代嶋田寛一市により島根県江津(ごうつ)市で1935年に創業。現在の窯主・嶋田孝之氏は2011年、一念発起し登り窯を製造。現在登り窯を使用している唯一の「石見焼」の窯元です。
石見焼は、この地方で採れる防湿、防塩効果に強い土を使い、瓦や水甕、漬物瓶を製作していました。後に化学製品や金属製品の普及により石州瓦や石見焼は需要が減少。現在その技術と製法を継承する窯元は僅かとなりました。
嶋田孝之氏によって土づくりから成形、焼成に至るまで全ての工程を手作業で製作しています。石見焼特有の「しの作り」もしくは「玉づくり」と呼ばれる技法で、紐状に伸ばした粘土を積み上げ、轆轤を回しながら、長年の経験により迷いなく一気に形成します。人と土との対話により生まれる温かみある造形は、1点1点異なる表情を見せてくれます。
Time & Styleのような大手のインテリアブランドの製品ラインナップとしては非常に珍しく、企業と現地職人の対話や製品化過程で図面を介さず、簡単なスケッチのみで製作は始まりました。
機械製造の図面のような製品開発でなく、言葉以上に感覚を重視した制作への姿勢は、時代の流れにより減少しながらも、消滅せずにモノづくりの意味を伝える石見焼の職人の意匠を感じられます。
表面は光沢のある無色透明の釉薬「透明釉」で仕上げられ、土本来の表情や色合いをより感じられる落ち着きのある佇まい。無味乾燥な量産品には無い、日本の優れた伝統を感じられる逸品です。
「サイドテーブルか」「スツールか」「オブジェか」、何かとカテゴライズしたがる現代に於いて、そのどれにも当てはまり、それ以上に存在そのものが唯一無二の表情を放つ稀有な逸品。円や面、傾斜といった基本形の組合せが、素材と技法の特性をより際立たせ、70歳を超える1人の職人との出会いを意味深いものにしています。