UK Vintage
Church Chair
心惹かれるアンティーク家具。
特にイギリスのアンティーク家具は長い歴史と伝統を色濃く反映しています。
時間を纏ったアンティーク家具を知るということは同時に歴史を知ること。
イギリスは伝統を重んじる文化が根強く、古い家具も何世代にも渡って大切に使い続ける習慣があるそうです。
そういった背景があるからこそ現代に引き継がれているのかもしれません。
本日は教会で使われていた「チャーチチェア」を紹介させて頂きます。
祈りと共にあった椅子
>>この商品の詳細を確認する
イギリスは伝統を重んじる文化が根強いと先述しましたが、イギリスアンティークが現代にまで残っている要因はそれだけではありませんでした。
歴史的に見るとイギリスは戦場となった機会が少なかったのです。
このチャーチチェアも、こうした世の荒波をくぐり抜けてきたのでしょう。
>>この商品の詳細を確認する
その名の通り教会や礼拝堂で使われていた椅子「チャーチチェア」。
1870年代の後半、教会での社会的な地位に対する障害が徐々に消えたことをきっかけに生まれたのがこの椅子でした。
以前は教会の隅で立ちながら礼拝していた一般庶民も座って集会に参加できるようになったのです。
そうして教会は「礼拝堂の雰囲気を損なうことのないデザイン」、「コスト面から、同じサイズ、素材、形を統一」の2つを兼ね備えた椅子を生産することに。
1930年当時のイギリスでは多くの椅子職人が存在したこともあり、質の高い教会用の椅子が大量に製造されました。
>>この商品の詳細を確認する
壊れにくく固い素材で出来ているという事でも知られるチャーチチェア。
現代まで残り続ける所以でもあります。
材質はエルム材とビーチ材が多く使われ、エルム材で作られたチェアの方が比較的古いものだそう。
堅牢さが特徴のエルム材を使うことによってチェアも頑丈に仕上がります。
今回入荷したチェアの材質はおそらくエルム材。よって18世紀後半に作られたものと推定されますが1世紀以上この状態を保ち続けているアンティーク家具は類を見ないのではないでしょうか。
エルム材ならではの明瞭で美しい杢目が経年によりなんとも言えない風合いを醸し出しています。
>>この商品の詳細を確認する
チャーチチェアの特徴は座面にも。
アンティークチェアとは無縁そうな座り心地ですが、実はかなり凝った『座繰り』という加工がなされています。
座面を身体のラインに合わせた曲線に削るこの加工法は教会で長時間話を聞いても疲れないようにする為の工夫。
実際に座っていただくと木材とは思えないほどのフィット感に驚かされます。
>>この商品の詳細を確認する
教会椅子ならではのディティールもポイント。
背面にはバイブルボックスと呼ばれる箱が取り付けられています。
これは聖書を入れるためのもの。
チャーチチェアの一般的な仕様ですがアレンジ次第で様々な使い方が出来そうです。
>>この商品の詳細を確認する
背中には「クロスバック型」と呼ばれる十字架の彫り。
教会らしさを感じさせる人気のモチーフですがこのタイプは市場に出回る数が非常に少なく希少。
多くのアンティークディーラーが必死に探しているほど珍しく、エルム材のクロスバック型となるとほとんどお目にかかれません。
>>この商品の詳細を確認する
誰もが礼拝出来るようになったことで大量生産された「チャーチチェア」。
沢山のモノを必要とする現代でこれだけの工夫と質を形にすることは可能なのでしょうか。
礼拝に対する想いと、深く根付いた「古い家具も何世代にも渡って大切に使い続ける」習慣こそが時間を超える家具を生んだのかもしれません。
歴史を感じさせながらびくともしない堅牢さには考えさせられるものがあります。
永年お探しだった方も多いのではないでしょうか。
自由が丘店にて展示しておりますので、お近くにお越しの際は是非お立ち寄り下さいませ。
UK Vintage Church Chair A
UK Vintage Church Chair B