J.L. Mollers
Model No.80 TeakWood Chair
中古市場でもファンの多いジャンルである北欧インテリア。
特にデンマーク製のアイテムは北欧家具における全ての魅力が顕著に表れており、デザイン、品質共に高い水準にあることで認知されています。
流れるような曲線や丁寧に削り出されたエッジ、細やかな濃淡が美しいチーク材の表情等、見ただけでその人気の理由が伝わるものがあります。
本日はそんな色褪せない輝きを放つデンマークの逸品をご紹介させて頂きます。
さりげなく豊かな曲線美
今回ご紹介させていただくのは、1944年創業のデンマークを代表する老舗家具メーカー“J.L.モラー J.L. Moller”社より“Model No.80 ダイニングチェア”。
デンマークの港町・オーフスの程近くにある緑豊かな街、ホイビェアにて1944年に設立した家具工房"J.L.モラー J.L.Mollers"社。
70年以上の歴史を持つ同社は環境に配慮した原木を手作業で選び、自社工場で大量生産を可能にしてもなお最後の仕上げは機械を使用せず、必ず長年の鍛錬により研ぎ澄まされた感覚を持つ職人自らの手作業によって行われています。
デザインを手掛けたのは同社のデザイナーであり創業者の“ニールス・オット・モラー Niels.O.Moller”。
上質な無垢材を滑らかな曲線に加工し、伝統的な職人の手仕事と機能美が美しく調和したデザインのプロダクトは「 美の結晶 」とも謳われてきました。
そんな同氏のデザインしたチェアに共通するのは、飾り気はないのに豊かさがぎっしりと詰まった佇まい。
テーパーが付けられた華奢な脚部とユニークな背もたれのフォルム、有機的で美しい曲線や継ぎ目までデザインされたフレームなど優れたクラフトマンシップと美しいモラーのデザインを一目で見て取ることができます。
何と言っても特徴的なのはフレームの静謐な美しさ、それを最も堪能できるのは横から見た時ではないでしょうか。
日常使いするとなると、真正面からチェアを眺める機会が意外と少ないことに気が付きますが、側面や後ろ姿はダイニングテーブルに収めても、人が座っていても目に入る部位。
背もたれの膨らみからささやかに緩急の付けられたアウトラインが続く脚部は、お部屋の中に取り入れる曲線としてこれ以上ない贅沢さだと思います。
厚みあるフレームには良質なチーク材を贅沢に使用、経年によって磨かれた深みのある飴色や、どの角度から見ても美しい杢目を存分に堪能することが出来ます。
また、シートにはイギリス・Jane Churchill(ジェーンチャーチル)の生地を採用、イエローのベルベット調ファブリックは特有の光沢感があり、光の反射によって幾何学的な模様が浮かび上がります。
赤みのあるブラウンとイエローの暖色のコントラストは空間に柔和で落ち着いた雰囲気を演出し、ダイニングチェアとしてだけでなくリビングでのサイドチェアや書斎のデスクチェアとして等、和室・洋室問わず様々な空間に合わせやすい一脚となっております。
北欧家具ならではの「シンプルなデザイン」と「無駄のない機能的なつくり」を持つ、“Model No.80 ダイニングチェア”。
デザインの良さと素材の良さの共存は素晴らしく、彼の美学とそれを実現する職人の技術力、J.L.モラーが長きにわたって愛される理由を十分に感じられる逸品です。