J.L.moller
Model No.84
北欧のビンテージチェアは細くスリムで繊細なイメージ。どれも長く使っていけるプロダクトであるのには間違いありませんが、人生で最初の1脚に選ぶのは少し悩みどころ。
そんな方々にも、勿論コレクションをしている方にも、これからずっと使っていくうえで自信を持っておすすめしたいチェアがあります。
拘り抜かれた一流の品質

1950-1960年代に活躍したニールス・O・モラー。この時代の他の巨匠とは異なり、幼い頃から父親の工房で木工を学び、デザイン教育を受けず職人としての修業を得てデザイナーとなりました。
また、広報熱心でなかった同氏はカタログやデザイン史の表舞台に載る事は少なく、知る人ぞ知る一流の巨匠。富や名誉ほしさよりもただひたすらに家具とにらめっこしていることにかっこよすぎて胸を撃たれます。
「二流は捨てたほうがいい、一流だけで十分だから」と言っていたニールス・オットー・モラーが生み出した一流のチェアが今日の主役です。

生涯で生み出した家具のデザイン数は約20点ほどと言われている中からこちらは「No.84」チェア。

一流しか選ばない彼は原材料にも強いこだわりを持っていました。経年により美しい飴色へと変化したチーク無垢材。


そしてその無垢材をまた贅沢に削り出し。背もたれのカーブやフロントエッジ。この流れるような曲線が着座した時の身体の負担を大きく軽減し、極上のフィット感を味わえます。
どれも、太いフレームだからこそ作り出せる深いカーブです。


この椅子のチャームポイントは思わず握りたくなる肉厚なフレーム。僕の手が小さいのもありますが、背板は握ってもつかみきれません…。シンプルで洗練された佇まいでありながら、ハッキリとしたシルエットによって、重厚感と存在感があります。
肉厚なフレームのしっかりと預けた身体を支えてくれる安心感。細く繊細で美しいイメージがある北欧のチェアですが、「No.84」は美しさも勿論ありますが、屈強でどっしりとした雰囲気もあります。
飾らず、強く、頼りがいがある長く共にしたいチェアです。

距離が離れているからこそ保たれる美(引きの美学)。細部まで見えてしまうことで失われる理想像のギャップというのがありますが、この作品は先ほど言ったようにシルエットがハッキリしているので引きで見ても美しく、寄ってみてさらに感激するものがあります。

それがこの起立正しく編まれた一寸の狂いもない(言い過ぎかもしれない)ペーパーコード。これを機械でなく人が編んでいると聞いて鳥肌が立ちます。


鹿の子のまだら模様に見える事から名付けられた「鹿の子編み」。格子状の細かな編み目が特徴で着座の際に当たる面積が少ないことから、体圧分散や通気性に優れています。ずっと座っていたい椅子に最適の編み方です。

共同プロジェクトやコラボレーションの記録がほとんどなく、『世界を今も魅了する黄金期』を一匹狼で生きたニールス・O・モラー。世に出ている作品の数が少ないながらも、それには確かな完成度があります。
しかし、その分流通が少なく、年々数も減ってきている希少なプロダクト。まだ同氏が生み出した一流のチェアと出合えるタイミングに是非お越しくださいませ。































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