FREDERICIA『 SPANISH CHAIR 』
Design: Borge Mogensen
IT-117
本日ご紹介するのは、ヘラ鹿の一枚革を贅沢に使用し幅のあるオーク無垢材のアームが特徴的な北欧椅子
フレデリシア社『スパニッシュチェア / SPANISH CHAIR』。
デザイナーは、「デンマークモダン」の概念を世に広めた巨匠ボーエ・モーエンセン(Borge Mogensen)。
1958年に作られた20世紀を代表する名作チェアです。
同デザイナーが家族とスペインのアンダルシア地方に訪れた際
古代イスラム文化より影響を受けた伝統的な椅子に感動し
インスピレーションを受け、自邸の為に制作されました。
スペインの貴族たちの間で使われていた事から「スパニッシュ」という名前が付けられ
誕生から100年以上経つ今日でも、そのラグジュアリーで気品ある佇まいから、多くのファンを魅了し続けています。
当時、自動車の発明・普及により職を失った馬具職人たちの為にその救済の意味も込めて、
素材には一枚革が採用され庶民に寄り添うモーエンセンらしさが感じらえる名作になりました。
使い込む事で、素材の深みが増していくレザー仕様。
しかしながら、長く使っていくうちに伸びきってしまう一枚革を
座面の裏側でベルトで締められるようにデザインした事で弛みを解消すると同時に、
ベルト金具が繊細なディティールとしてアクセントになっています。
15cmの幅広のアームは、肘掛け本来の機能に加えサイドテーブルの様にコーヒーカップや本を置けるように
機能性を考え作られました。
経年と共に深い味わいとなっていく自然そのままの風合いが印象的なオーク無垢材フレーム。
ニスやペイント塗装を行わず、石鹸水を塗り込む事ではっきりとした杢目と美しい木肌を持つオーク材本来の風合いを
最大限に演出できる仕上げになっています。フレームの汚れが気になった時は、洗浄やサンディング等の
クリーニングを行う事で、元の状態へと再生可能です。
滑らかな一枚革の風合いと、木の手触りの心地良さが全体として素材の違いを活かしあいながら
温かみある暖色の色合いが、周りの家具と調和し
ゆったりとした時の流れを演出する、落ち着いた空間を作ります。
名作チェアの書籍や、雑誌の特集等でも必ずと言っていいほど登場する『スパニッシュチェア』。
中古市場でも中々お目にかかれない傑作です。お探しだった方は、お早めにお買い求めくださいませ!