秋田木工 Akimoku
EDITION BLUE Dining Chair 508EB
1910年の創業以来、日本で唯一「曲木」と呼ばれる技術を専門として、100年以上の歴史を築いてきた家具の工房“秋田木工 Akimoku”。
積み重ねた伝統を守り、熟練した職人達の手によって生み出された曲木家具は今もその輝きが衰えることは無く、現代の生活にあったデザインへ挑戦し続け、日本を代表するデザイナーたちとコラボレーションし、名作とも呼べる数々の作品をつくり上げています。
本日はそんな秋田木工より過去と現在が交差するコントラストが美しいダイニングチェアをご紹介させて頂きます。
受け継がれるもの
秋田木工を語る上で最も重要である「曲木」。
そんな曲木の技術を発明したのは、「モダンスタイルの原点」を作り出した“ミヒャエル・トーネット Michael Thonet”。
トーネットが1900年初頭に発明した曲木の技術は、木が持つ可塑性(圧力を受けて変型したものが、そのまま元に戻らない性質)を利用し、天然の無垢材を煮沸した後、鉄の金型に沿って曲げ成型する方法。
この技術によって、これまでの椅子とは一線を画す美しい曲線を描く椅子が生まれ、トーネットの曲木技術が日本に輸入されて以来、立体的な曲木の正当な継承者として、確固たる地位を築いたのが秋田木工なのです。
今回ご紹介させて頂くのは同社より「エディションブルー」シリーズのダイニングチェア「508EB」。
お気に入りの1点に合わせて家具を買い足していく"成長するインテリア"をコンセプトに、受け継がれる定番デザインをリデザインするこのシリーズ。
デザインを手掛けたのはデザインオフィス「nendo ネンド」の設立者でありチーフデザイナーである“佐藤オオキ”。
2002年早稲田大学で建築学の修士号を取得後、卒業と同時にnendoを設立。東京とミラノに拠点を置きながら、小さな文房具から大きな公共建築まで様々な分野でデザインを手がける等、建築、インテリア、プロダクト、グラフィックと活躍の場を広げています。
イギリスで庶民の椅子として愛されてきた伝統的なウィンザーチェアに現代的なアレンジを加えた1脚。
すっきりとした7本のスピンドルと秋田木工の技術が光るフープは、絶妙な角度で背もたれに掛かる体重を上手く分散し、その華奢な姿からは想像もできない耐久性と安定感を誇っています。
座繰り加工が施された座面は背もたれの曲線と共に、身体のラインにフィットし包み込む様に受け止め、長時間の着座でも疲れにくくオススメ。
ブナ材のナチュラルなフレームと背もたれ上部に施されたグレーのペイントは、空間に明るく柔和な雰囲気を演出。
見た目の可愛らしさは言わずもがな、コンパクトかつ比較的軽量で扱いやすい点も魅力であり、老若男女問わず楽に移動させることが出来ます。
シンプルかつナチュラルな質感は様々なスタイルのインテリアにも合わせやすく、日本の居住空間にもマッチするスッキリとしたシルエットは洋室和室問わず、ダイニングや寝室などシーンを選ばず活躍してくれます。
モダンとクラシカル、日本の伝統と英国の伝統、過去と現代が合わさった美しいコントラストのダイニングチェア。
共に過ごして頂く事で、100年という永い年月愛され続けた理由が分かるはず。
秋田木工の意匠が伝わってくる確かなディテールが詰まった逸品のご紹介でした。