特集:現代ガラス作家 辻和美 Kazumi Tsuji ~透明な温度~

UPDATE: STAFF:よしお
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Kazumi Tsuji

Glass works

本日は、宙吹き技法の柔らかく素朴なフォルムと、コールドワークの技法を生かし、人の手で作られたものの安心感を感じられるハンドメイド、石川県金沢の現代ガラス作家" 辻 和美 / Kazumi Tsuji "氏によるガラス作品のご紹介♪

透明な温度

吹きガラス制作は、マグマより高い温度で熔けるガラスを吹き棹に巻き取り、思い通りの形にするだけでも数年の鍛錬。ガラス作家は、高い専門技術が必要である職人的な側面と、まったくの独自表現が必要となる芸術家としての側面を持つ作家さん。狭き世界であると同時に水彩、油絵、水墨、紙粘土、裁縫、DIYのようにいわゆるアマチュア作家が生まれづらい美術分野でもあります。

珪砂と複数の鉱物を熔かす事で生まれる非結晶構造の" ガラス "。元々自然界には無かった無機質な人工素材を採用しながらも、自然界の曲線を感じさせてくれる優しい面持ち。

ガラス造形は透明・半透明・不透明、艶あり・艶無し、マーブル模様やモザイク模様、2トーンカラー、グラデーションまで、これまでに開発された数多ある技法を組み合わせて造形表現が出来る美術分野。ガラスらしさを活かす事、また消す事でも美の探究が可能です。

技術と知識があれば他の工芸分野では出来ない事も可能となる豊富な表現のバリエーションがありながら、敢えて色や模様、高レベルな技法を制限して制作する。またそこに個性も求めるとなると、作品にオリジナリティを出す事がいかに困難な事かは想像に難くありません。

だからこそ、辻和美さんが現代ガラス作家さんとして" 有名である事 "。それ自体が既にもの凄い事なのです。

手に馴染むシンプルなフォルム。徐冷炉から取り出されたガラスは、それより硬い素材である粒状のダイヤモンドが表面に施された特別な加工機により削られます。そのコールドワークの過程で生まれる線の歪みがハンドメイドの温かみを感じさせ、作品ひとつひとつ異なる個性として完成します。

また模様に目が行きがちですが、テーブルと接する底面部の加工にも作家が選択するひとつの個性があります。吹きガラスの作業工程でカップ上部の口元を開く際に、一度ポンテ棹というものに棹を移し替えます。

完成後、ポンテ竿から切り離す際に生じるポンテ痕は、徐冷前にバーナーで馴染ますか、徐冷後に加工機で削り痕を無くしながら曲面を作るかの2パターンがあります。

この底面の湾曲は加工機で削る事で白く濁りますが、荒い加工から細かい加工、最後のバフ掛けまでの工程があり、傷や曇りの無い仕上げを行うには、そのひとつでもミスが許されません。

" 有名である事 "=" たくさんの需要がある事 "ですが、量産が必要でも、ガラスの専門で無ければ知りえないような手間のかかる作業も惜しみません。一点一点完成させる心のこもったハンドメイド作品からは、作家の熱意と温度が感じられます。








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