不完全だって美しい
北欧・フィンランドが生み出した偉大なガラスデザイナーの1人としてし知られる“オイバ・トイッカ Oiva Toikka”。
想像力に富んだオイバ・トイッカのデザインは大胆でユーモラスな作品が多く、シンプルで機能性を求めたフィンランドデザインの主流からは外れているものが殆ど。
そんな素晴らしい作品群の中でも「バード・バイ・トイッカ Birds by Toikka」は、アーティストとしての際限ない想像力が生み出した名作と言えます。
「私は完璧さを求めるのではなく、楽しくありたい。」と言葉を残したオイバ、本日はそんなオイバが手掛けた自由で個性溢れるバードたちのご紹介です。
PICK UP Birds by Toikka
可愛らしいフォルムやガラスの美しい素材感、そして一体ずつ異なる表情が魅力的な「バード・バイ・トイッカ Birds by Toikka」。
そんなバードが初めて誕生したのは1972年のこと。ヌータヤルヴィ工場からイッタラ工場での生産に切り替わった現在に至るまで、オイバによるバード達は300種以上も製作されているそう。
カタチや大きさ、色や模様でそれぞれの鳥を独自のスタイルで表現しており、鳥それぞれに個性があるように、 マウスブロウによるふくらみの違いや気泡の入り具合は個性となり鳥たちに命を吹き込み、 絶妙に異なる顔立ちやフォルムはまさに自由に羽ばたく鳥そのもののようです。
iittala
アニュアルバード Annual Bird 2019 フィヨルド Vuono
最初にご紹介させて頂くのは「アニュアルバード Annual Bird」シリーズの2019年モデル「フィヨルド Vuono」。
フィンランド語でフィヨルド(深く入り込んだ湾)を意味する通り、複雑さが表現されたなみなみ模様が印象的な1羽。
ブルーグレーを基調にシルバーラスターでラインが描かれており、まるで水の波紋のような生命力を感じるカラーリングです。
ミレン Millen 2000年 ミレニアム限定
こちらは2000年に限定販売されたミレニアムバード「ミレン Millen」です。
MILLEN & NIUMの2モデルが製造され、合わせるとMILLENIUM(ミレニアム)になるという遊び心溢れる特別仕様。
ベースのマットなホワイトと繊細な赤のラインが作り出す、おめでたい色合いのマーブル模様が特徴的。
クリアのくちばしにすっきりとしたフォルムが優雅さを醸し出し、新世紀を祝うにふさわしい佇まいが特別感を纏っています。
リトルバーンオウル Little Barn Owl
こちらは2006年に発表されたBarn Owl(メンフクロウ)のミニチュアサイズ「リトルバーンオウル Little Barn Owl」です。
リトルバーンオウルとは仮面をつけているような丸い目が特徴のメンフクロウの雛のこと。ややデフォルメされたぷっくりと可愛らしい姿で表現されています。
数あるオイバのバードの中で唯一目が与えられているフクロウ。手作りだからこそ1点1点異なる表情も魅力のひとつです。
全体にあしらわれたストーンのような細かな模様の中に大きなオレンジ色の目が際立ち、小さなサイズとふくよかな丸いフォルムが相まって可愛らしい印象を与えます。
Nuutajarvi
リトルターン Little tern コアジサシ レッド
こちらは1996年に製造がスタートした手のひらサイズの小さなバード「リトルターン Little tern」です。
リトルターンとは空中から水面にダイブして魚を捕らえる、コアジサシという小さな鳥のこと。実物はやや細身ですが、ぷっくりとした姿で表現されています。
もともと様々なカラー展開があったものの2005年からはレッドのみが製造されており、また、2014年にはレッドからクランベリーに色合いが変更されていますが、今回はヌータヤルヴィ製のレッドカラー。
やや深みのあるクリアの赤に透明のくちばし。小さなサイズとふくよかな丸いフォルムが林檎のような1羽です。
リエッコ Riekko - Willow Grouse ライチョウ
こちらは、1981年に製造がスタートした雷鳥「リエッコ Riekko - Willow Grouse」です。
リエッコとはふわふわとした羽毛に覆われたぷっくりとした姿が特徴の北極圏に生息するヤナギライチョウのこと。愛らしい自然のままの姿がガラスで表現されています。
乳白色のボディに薄っすらと浮かび上がる緑がかったグレーの模様が羽のよう。
クリアのくちばしとやや下がり気味の尻尾をチャームポイントに、ぽってりとした丸いフォルムが愛でたくなる1羽です。
おわりに
不完全を許容できるオイバ・トイッカの才能、それぞれのバードにそれぞれの命が与えられているという事が良く分かります。
純粋な楽しさが宿ったアイテムは、使う人眺める人を元気にしてくれる素敵なものばかり。
世界中のコレクターが虜になる理由も分かるオイバ・トイッカのバードたち。
その美しい佇まいを是非ご自宅で堪能してみてはいかがでしょうか。