Daniel
E-204 Cabinet
横浜に引越してから早1年。
気が付けば30歳という人生のターニングポイントもいつの間にかスルーし、歯を磨く際には嗚咽を伴うようになっていました。
いよいよおっさんじみてきたなと思う今日この頃。
北海道のど田舎から出てきて早10。月日が経つのは早いものです。
…さて、本日紹介させて頂くのは私の住む町、横浜は元町に拠点を置く老舗家具ブランド『DANIEL/横浜ダニエル』の『エトランジェリビング キャビネット』です。
日本の洋家具の本流
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ペリーの来航をきっかけに横浜にはあらゆる異国の文化が根を下ろしましたが、『洋家具の製造技術』もその一つ。
時代の流れによって、質より量が求められた事により洋家具の製造も衰退していきましたが、ダニエルは質へのこだわりを捨てずに横浜を拠点として、高級洋家具の製造を続けてきた老舗ブランドです。
『エトランジェリビング キャビネット』に使われている樺桜材は、我が故郷でもある北海道・日高山脈の麓から伐採された樹齢200年前後のもの。
緻密で堅牢な樺桜ですが、特に長い年月を経た国産ものは杢目が美しく、狂いも少ないことから高い評価を得ています。
日本国内における木材家具の7〜8割が外国産の木材を使用して作られている中、国産の材にこだわって作られるダニエルの家具ですが、高級家具と言われる所以は主に製造工程にもあります。
木材の乾燥から加工前の含水率の調整、家具の各部材への木取り、加工に至るまで全てを自社で行っているそうですが、それも熟練の職人が多数在籍しているダニエルだからこそ出来ること。
加工においては、機械では見分けられない微妙な仕上がりを職人の指と手で確認し、仕上げていくという徹底ぶりです。
塗装にももちろんダニエル独自のこだわりがあり、木肌の研磨から塗装終了まで15もの工程を経て仕上げられているそうな。
『神は細部に宿る』と言いますが、こうして作られるダニエルの家具は一つ一つが芸術品の域に達しており、この言葉をまさに体現していると言えます。
こちらのキャビネットは中央のみがディスプレイ用のキュリオケースとしての役割を果たす、ちょっと変わったデザイン。
上部には照明が備わっており(今回入荷したこちらは照明が破損しており使用できません)、棚板は光を透過するようガラスが使用されているのですが、全体のバランスを崩さないように、その棚板もしっかり樺桜材で縁取りされています。
棚板の感覚も非常に細かく調整可能で、フラワーベースのような高さのあるものから、小さな置物まで幅広くディスプレイ可能。
両脇の収納もそれぞれ棚板が4枚備わり、高さの微調節が出来ます。
丈夫な造りで、重量のある本や食器もたっぷり収納が可能ですので書斎からリビングまで、あらゆる場所でお使い頂けます。
下部には深めの引き出しも3段ありますので、雑多なもののほとんどを収納する事ができるのはないでしょうか。
洋風なデザインでありながら、日本の住宅環境を考慮したサイジングで、奥行きは約44cm。
無駄なスペースを取る事なく、見せる・隠すを両立した大変使い勝手の良い逸品となっております。
製材から加工までを自社で行い、『100年使える家具』として生み出されるダニエルの家具。
根幹にあるのは職人達の木への理解と愛情。
製品に打つダニエルの刻印は、その誇りと責任の印だそうです。
定価は約90万円程のお品物ですが、中身を知ると納得の価格ですね。