天童木工
ブラジリアンローズウッド 座卓
将棋駒を始めとした木工産業の盛んな山形県天童市にて、1940年に創業した天童木工。
スポークチェアやバタフライスツールなど、プライウッドを用いた有機的な曲線を描くプロダクトを数多く発表しています。
本日は、そんな天童木工より、ジャパニーズモダン家具コレクターの方必見の座卓をご紹介致します!
一筋縄ではいかない座卓
>>この商品の詳細を確認する
今回ご紹介するのは、1968年に発表された座卓の、現行販売には無い正方形仕様のものです。
デザインを手掛けたのは巨匠・剣持勇。第二次世界大戦後にアメリカを視察し、チャールズ&レイ・イームズ夫妻やジョージ・ネルソンと親交を深め、のちに日本で渡辺力、柳宗理らと共にジャパニーズモダンデザインを提唱したインテリアデザイナーの1人です。
戦後日本において、新たに造られた建築やインテリアは西洋のモダニズムに大きな影響を受けつつ日本の伝統的な文化・技術を広く取り入れて製作され、それらを包括してジャパニーズモダンと呼ばれていました。
そんなジャパニーズモダンの力強さを感じるこちらの一台。天板と脚部が全て一体型となったフォルムはどことなく非現実的な印象を受けます。
内側に丸く折れ曲がった脚部はまるでかんなで削った薄い木くずのよう。しかし、一枚板を削り出した訳ではなく、天童木工が早くから取り組んだ成型合板技術によるものです。
衝撃を吸収するしなやかな強さと軽さ、複雑で創造的な曲線は成型合板ならでは。床に触れる面積が広く取られ、更に艶のある質感のため畳やフローリングを傷付けにくい効果もあります。
脚の特徴的なフォルムに目を奪われがちですが、繊細な細工は天板にも。四方の縁が立ち上がった「水返し」と呼ばれる絞り加工が施されています。
一見スムースに見えるアウトラインのフラットさを敢えて無くしたデザインは、ひっそりとたたずみながらも一筋縄ではいかない剣持勇らしい威厳を感じさせますね。
また、卓上の水などを床に零さずに済むという機能面でのありがたさも!ペンが転がってもせき止められます。デザイナーズ家具としての堂々たる佇まいと実使用での便利さを併せ持つ座卓です。
そして今回、この座卓の美しさの理由がもう一点。使われているのはなんと、木の王様とも称される超希少な木材・ブラジリアンローズウッドです。
現在は絶滅の危機に瀕し、輸出規制がかけられているブラジリアンローズウッド製の家具は、中古市場でもなかなかお目にかかる事が出来ません。
ローズウッドというと紫がかった濃い暗褐色が思い浮かびますが、こちらは彩度の高い鮮やかな褐色。黒々とした印象的な杢目が天板にたっぷりと、経年による味わい深さも増して、剣持デザインとブラジリアンローズウッドの相乗効果が美しさとなって表れています。
天板サイズは縦横約92cmと4人で囲める使い勝手の良い大きさ。丸く個性的なフォルムはビンテージのジャパニーズモダン家具はもちろん、北欧家具などとも合わせて頂ける、永く付き合える家具です。
ジャパニーズモダンデザインの傑作、いかがだったでしょうか。
剣持勇の色褪せないデザイン性と天童木工の成型合板技術が見事にフィットした、ちょっと変わった座卓のご紹介でした。
末永く愛せるデザイナーズ家具としても見どころ満載のお品物です。是非是非ご検討下さいませ!