TENDO
Lounge Chair
高い技術力が叶える美しいかたち。
それらは時が経った今日でも評価され今尚愛され続けています。
本日ご紹介させて頂くのは日本の名工房の逸品。
天童木工の手掛けるラウンジチェアのご紹介です。
技術の曲線美
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戦後の山形県旧天童市。
天童木工は大工や建具の職人たちが結成した家具建具工業組合から始りました。
持ち合わせていた技術は家具づくりに注がれることに。
それらは人々の記憶に残る名プロダクトにかたちを変えていきました。
職人技と最新技術を駆使しこれまでに無い家具づくりを進めた天童木工。
古き良き技術と相反する新技術はデザイナーの理想を高い完成度で仕上げました。
当時まだ新しかった成形合板技術を初めて実用化したのも同社だったそう。
この技術開発はデザインの幅を大きく広げることになります。
柳宗理や長大作、水之江忠臣や乾三郎。
そうそうたるデザイナーと共に名作を輩出したことでも知られる天童木工ですが当時は社外デザイナーを起用するブランドは珍しかったそう。
高い技術力と新技術実用化の飽くなき挑戦があったからこそ、巨匠たちのイメージを形に出来たのかもしれません。
今回ご紹介させて頂くこのチェアにも天童木工ならではの技術やセンスが注がれています。
堅実な造りに美しいかたち。
柔らかくカーブを描くフレームは同社が得意とする曲木技術が採用されており、無駄の無い動きと強度を叶えています。
つなぎ目にはコマ入れ成形の技法が使われており、一体成型された継ぎ目のないフレームを実現。
この製法は職人の高い技術が必要となり、世界に名だたる天童木工の高い技術力が伺えます。
カラーバランスも非常に魅力的。
アイボリーのシートと深みあるダークブラウンのフレームが美しいコントラストを生み、すっきりとしたボリュームに輪郭を与えます。
広めの背と座によるゆったりとした座り心地も非常に魅力的です。
これほどの良デザインながらデザイナーは不明。
謎めいた箇所もこのチェアの魅力でもあります。
確りと存在感を放ちながらも放たれる気品。
技術の曲線美が叶えた名ビンテージのご紹介でした。