Shiro Kuramata
Desk for Tsukuba Daiichi Hotel
インテリアデザイナー倉俣史朗
類まれなるデザインセンスによって世界中を驚かせ続けたデザイナー。
名品”How High the Moon”はあまりにも有名ですね。
1965年のクラマタデザイン事務所設立から逝去される1991年まで、アクリルやガラス、エキスパンドメタルといった素材を好んで使い、浮遊感のあるモダンデザインを多く生み出しています。
今回、ご紹介するデスクはそんな倉俣氏がホテルのインテリアとしてデザインしたもの。
1983年に磯崎新氏が手掛けたつくばセンタービル内にあった筑波第一ホテルの客室に置かれていたデスクです。
しかしながら2001年、運営会社の廃業により経営が変わり、客室のインテリアなどが一新されることとなります。
このデスクはその際に廃棄を免れた希少な倉俣作品です。
リラクゼーションスペースに置かれたポストモダン
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客室というリラックスしたい空間に置く家具として、倉俣が考えたデザイン。
氏のデザインとしてはめずらしく木目の見えるオーク材を使用。
真っ白なメラミン素材と温かみのある木材を組み合わせることで、くつろぎを表現したのかもしれません。
ピシッとしたストレートラインの構成は、らしいフォルムになっていますね。
2杯の抽斗、天板中央にコンセントタップが設けられているところはホテルユースらしい造り。
合わせる椅子や飾る物によってオリジナルな空間を構成出来るミニマムなデザイン。
ポスター1枚だけでも雰囲気をガラッと変えられるので、色々試してみると面白いと思います。
個人的な好みではフォリップワイズベッカーやジョセフアルバース、猪熊源一郎さん辺りを飾ってみたいです。
倉俣氏はこの翌年にスターピースを発表しており、内装への関心が高まるきっかけとなったかもしれません。
磯崎氏と倉俣氏、両雄によるポストモダンムーブメントへの回答のひとつが、つくばセンタービルにはあったのではないでしょうか。
このデスクも時代の寵児が生んだ作品として、後世に語り継がれることでしょう。