九州民芸家具
樺無垢材 サイドボード
1926年「民芸運動」
高価な美術品ではなく、庶民の暮らしの中にある手仕事の日常品の中にこそある「用の美」を見出そうと、柳宗理の父である柳宗悦が起こしたものです。
僕のおばあちゃんの家にも、僕が生まれるずっと前から大切に使われてきたと思われる箪笥があります。
流れが早く、入れ替わりの激しい今の時代だからこそ、そうした長く愛され続けるものに強く惹かれます。
本日は、職人のこだわりと思いが存分に込められた「民芸品」をご紹介しましょう。
堅実で丁寧な暮らしの美
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こちらのサイドボードは、松本民芸家具の九州地区販売店として発足した「九州民芸家具」のもの。
松本民芸家具や、北海道民芸家具に比べると、和のテイストとクラフト感が強く、上品さと力強さを兼ね備えた縦格子のデザインが特徴です。
職人たちによる妥協の一切ない作品作りは、「民芸運動」のルーツがしっかりと継承されている証。眺めていると、その息遣いや想いに圧倒されそうにもなります。
収納の仕様は、中央のオープンスペースに加え、高さの違う棚を上下に備えており、中の棚板二枚はどちらも取り外し可能。
引き戸は縦格子状にデザインされており、和モダンな印象をグッと引き立ててくれています。また引き戸の片面にはクリアガラスが入っております。
木材は、高級木材であるミズメザクラ 樺無垢材を全面に使用。
緻密で艶のある木肌がとても美しく、虎杢と呼ばれる虎の紋様を思わせる杢目が特徴です。
家具に使われるミズメザクラは、山奥に散在する樹齢200~300年もので非常に入手困難。また、非常に堅いため加工には熟練の技術が必須ですが、狂いがおきにくく粘り強いという優れた特性を持っているため「百木の長」と詠われ、最高級家具材として重宝されています。
背面は一枚板にすることで、波紋のような杢目の圧倒的美しさを見てとれ、木の呼吸をダイレクトに感じることができます。
隠れてしまうような見えない部分にも、職人のこだわりが宿っている。まさに民芸家具の真骨頂ではないでしょうか。
重厚感のある本体を支える脚は、小ぶりで丸みのあるものを採用。全体の直線的なフォルムに柔らかい印象を与えてくれます。
こうした細部に人間らしい温もりを感じますね。
何世代にも受け継がれる民芸家具は、日本の伝統工芸と職人の技術の賜物です。
九州民芸村の閉鎖に伴い、2009年11月に惜しくも工房を閉鎖した「九州民芸家具」
今後ますます希少価値の高まる逸品ですので、この機会にぜひいかがでしょうか。