Verner Panton
70s Vintage Rug “Circle”
『異端のデザイナー』
個人的な話をすると、そう聞いてまっ先に思い浮かぶのはパントンただ一人。好きな建築家はいくらか挙げられても、パントンだけはちょっと次元の違う存在の様に思えてしまいます。
パントンの世界観を知ったから、家具の世界にのめり込むことになったので、私としても思い入れは人一倍なのです。
異次元の存在感
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“ヴェルナー・パントン Verner Panton”は、サイケデリックな陶酔感のある色使い、流線形を特徴とした作風で知られるデンマークの建築家です。
建築家とは言っても、あまりにも先鋭的なセンスのため、パントンの建築はほとんど実現することはありませんでした。
技術が進歩した現代に生まれていたら、どんな建築で我々を驚かせてくれたのでしょうね。
さて、パントンと言えばやはり家具デザイナーとしての面で親しまれていると思います。
パントンチェアやハートコーンチェア、VPグローブランプなどの諸作品は、一度目にしたら忘れがたい存在感で、もはや使うアート作品と言っても差し支えないものばかり。
私はというと、数年間「VPグローブ、買うぞ!」と日々のモチベーションにしていますが、おかげさまで実現はしておりません。
今回入荷したのは、パントンのビンテージ品の中でもかなり珍しいと思われるラグ。
ファブリックパネルは度々見かけることがありますが、ラグは本当に貴重です。
中心に寒色、そして外側に広がるにつれて暖色に変化していくグラデーション。
構図としては非常に単純なはずなのに、どこからどう見てもパントンのシグネチャーデザインにしか思えないというのは、もはや一種のマジックのように感じられますね。
パントンと繋がりの深い、スイスのテキスタイルブランド“Mira-X社”が手掛けたお品物。
一説によると、70年代に開かれたパントンのエキシビションのために極僅かな枚数が製作されたうちの1枚とも言われています。
真偽のほどは確かめようが無いものの、中古市場での流通量の無さからすれば、それもあながち間違いではないのかも。
年々コレクション的価値が上がり続けているパントンのアイテムたち。
とりわけ足で踏むのが前提のラグは、今後も状態の良いビンテージの個体とめぐりあう確率は非常に低いと思われます。
こちらに関しては、前オーナー様によってタペストリーにされておりますので、コンディションもまずまず。
熱心なパントンマニアの方は要チェックな1枚のご紹介でした。