HOUSE OF FINNJUHL
Pelican Chair with buttons
美しい曲線と一線を画す造形美で、「家具の彫刻家」とも称される"フィン・ユー ル finn juhl"
ウェグナーやヤコブセンとともに近代家具デザインに多大なる影響を与えた20世期の代表的なデザイナーとしてその名を馳せています。
またその知名度の高さに反して現存する作品がウェグナーやヤコブセンと比べ て遥かに少ない事からとても希少性が高く北欧家具の中でもマニア垂涎の一 品となっております。
本日はそんなフィンユールがデザインを手掛け、代表作のひとつにも数えられる『ペリカンチェア』が入荷致しましたので、喜び勇んでご紹介させていただきます。
フィンユール家具のある暮らし。
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家具を芸術品として捉えていたフィンユール。
生み出された作品も一般的な家具とは異なり、優美な曲線を描きながら、軽快なリズムを持ち、そのどれもが息を飲む存在感を放っております。
今でこそ世界各地の美術館に永久コレクションとして数多くの作品が収蔵されているフィンユールの家具ですが、最初は家具としては線が細く、どこか危ういデザインから実使用を目的とした製作販売はしてもらえなかったそう。
それを可能にし、フィン・ユールのデザインを世に出したのがスネーカーマスター(技を極めた家具職人に与えられる最高位)ニールス・ヴォッダーでした。デンマーク王立美術大学で建築を専攻したフィン・ユールは家具をつくる技術がなく、イメージスケッチをヴォッダ―が図面化し家具にしたといわれています。また座面がフレームから浮いているようなデザインもあってか、「椅子の構造が分かっていない」と酷評されますが、それを支えたのがヴォッダーの技術力でした 。
こうして家具の常識を覆した芸術性の高い作品が世に生まれ、半世紀経った今でも世界中で愛される家具が生まれたのです。
今回入荷致しましたのはそんなフィンユールの椅子の中でも代表作のひとつにも数えられるペリカンチェア。
ペリカンが翼を広げた所に似ている所からこの名がつけられました。
ペリカンチェアが生み出される前年には肘を上に向けたユニークな作品もデザインしていたらしいのですが、当時クリント派が主流の家具界においてこの一連のデザインは到底受け入れられるわけがなく、ほとんどが製品化はされなかったそう。
このペリカンチェアもプロトタイプのまま先妻のインゲ・マリー スカラップ夫人が 所有していたものとのこと。
ワンコレクションから製造販売されるようなったのはデザインから数十年後。
ようやく時代がフィンユールに追いつたという事でしょうか。
そんな数々の試練を乗り越えてようやく人々の目に触れる機会が生まれたペリカンチェアは今では北欧家具好きには堪らない至高の一脚としてその名を輝かせております。
優美な曲線美と幻想的とも言える独特の存在感が、そこにあるだけで空間を引き締め、芸術性の高さに驚かされます。
またペリカンチェアの魅力はその美しさだけではございません。翼のように広がった背もたれは優しく体を包容してくれ、座面が低く奥行きが深い為、より深く寛げるような作りとなっております。
適度に傾斜も効いている背もたれは心地よい座り心地を加速させ、贅沢な時間を過ごす事ができるでしょう。
生地も様々なものから選んでカラーリングの組み合わせも楽しめるペリカンチェアですが、今回入荷したのはその中でもヨーロッパを代表するテキスタイルメーカー"クヴァドラ"のものが使用されております。
羊の生活習慣を熟知した質の良いウール生地だけを使用し、デンマークでも最高峰の品質と呼び声高いため、フリッツハンセンを始め高級家具ブランドでよく採用されるテキスタイルメーカーです。
そんなクヴァドラのHallingdal (グレー)とTonica2 (レッド)で作られているため、非常に肌あたりよく、耐久性に優れております。
家具と言うより芸術作品に近い存在感と、至極の座り心地を両方楽しめるフィンユールのペリカンチェア。
中々本物のフィンユールの作品を見る事さえままならない昨今ですが、奇跡的にも経堂店にワンコレクションのペリカンが入荷が叶いました。
是非「家具の彫刻家」と呼ばれる「フィン・ユール」の芸術的な家具の世界を存分に味わってみて下さい。