Laukaan puu
Pirkka Bench
imptionでも取り扱うことの多いデザイナーズプロダクト。
確かな実用性と人々を魅了するデザインは多くの人が所有しているが故、目にする機会も少なくありません。
しかし人気があっても短い期間しか製造されなかった等の理由から、めったに実物に出会うことが出来ないプロダクトも。
本日はそんな珍しい1脚をご紹介いたします。
ただ佇む姿さえも
高い製造技術を誇り、フィンランドを代表する家具ブランドとして知られており、いくつもの名作家具を手掛けている「ラウカンプー Laukaan puu」。
特に1955年から1960年代半ばまでの僅か10年の間しか製造されていない希少な「ピルッカ pirkka」シリーズはコレクターも多くその希少さ故、高額で取引されることもあるのだそう。
その美しいフォルムとプレミアの付いたプロダクトは半世紀以上経った現在でも多くのインテリアファンを惹きつけています。
そんなピルッカのデザインを手掛けたのはアルヴァ・アアルトやル・コルビュジエに師事し、「ドムスチェア」を始めとする数多くの名作を生んだ建築家「イルマリ・タピオヴァーラ Ilmari Tapiovaara」。
豊かな自然に育まれたフィンランドらしい木を使った名品を多く生み出し、ミラノトリエンナーレなどで数々の賞も受賞しています。
フィンランドのデザイン史にその名を残すインテリア・建築デザイナーの1人です。
今回入荷したのはそんな彼の代表作の1つでもあるピルッカシリーズのビンテージのベンチ。
パイン材を使用した味わい深い天板と、木の枝のように広がるブラックラッカーで塗装されたビーチ材の脚部を組み合わせたコントラストが絶妙なデザイン。
ただお部屋に佇む姿さえも様になりますが、使い込むほどに味わいを増していき木材の良さをダイレクトに感じることが出来ます。
1955年の発売当時のラインナップは今より少し豊富だったようですが、現在ではアルテックによる復刻がされています。
なお、こちらにはオリジナルのラウカンプーの刻印が見て取れます。
現行品と比べる等という野暮な事はするべきではありませんが、やはりどうしてもオリジナルならではの趣にひかれてしまうのは自分だけではないはず。
ピルッカシリーズが名作と言われる理由の1つに脚部の特徴的な構造があります。
「トラス構造」と呼ばれる複数の三角形による骨組、接合部にネジなどを一切使用せず、パーツを穴に差し込むことで高い強度を実現。
これにより上からの加重が分散され着座の時に起こる脚部の負荷が軽減されています。
希少さ故に使用する事へうしろめたさを感じる事もあるビンテージのアイテム。
しかし、それは使ってみてこそ本当の意味でビンテージとなるのではないでしょうか。
腰掛けとして使うのは勿論、ディスプレイ台としてお気に入りのアイテムを飾り付けてみればより愛着が湧きそうですね。
フィンランドの巨匠が生んだ希少な逸品。実用的な家具としても、コレクションの1つとしても是非お迎えください。