Magnus Olesen
Model.121 Paperknife Chair
デンマークを代表する家具職人"カイ・クリスチャンセン Kai Kristiansen"。
優れたデザイン性のみならず、稼動する背もたれを採用したり、人間工学に基づいた設計など、快適な使い心地を意識した作品は、現代の家具作りに大きな影響を与え続けています。
本日はカイ・クリスチャンセンの代表作としても名高い『ペーパーナイフチェア』のご紹介です。
柔らかなナイフエッジ
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1955年にデザインされてから製造元の変更や生産中止の時期を経て、現在では名作椅子の一つに数えられるペーパーナイフチェア。
こちらはデンマークの"マグナスオルセン Magnus Olesen"社で製造されていた頃のビンテージ品となります。
残念ながらメーカーシールが剥がれてしまっておりますが、赤々としたチーク材はビンテージの証と言えます。
初めてペーパーナイフチェアの存在を知った時は、いったいどんな鋭い椅子なんだろう?と思い、実物を見たらイメージとかなり違った柔らかいシェイプに驚いた覚えがあります。
手紙をやりとりする機会が減ったことで、ペーパーナイフ自体見たことない、という方も多いでしょうが、滑らかなエッジになぞらえた絶妙なネーミングですよね。
カイ・クリスチャンセン自身が名付けたのか、ファンによる通称なのかは不明ですが、どちらにしてもこのチェアを特徴付けているのはやはりこのアームの造形。
前脚と後脚を繋ぐアーチ状の肘掛けは手作業で整えられ、思わず撫でたくなるような手触りに。
とても立体的な美しいシェイプです。デザイン当時は大量生産の時代では無かったからこそ、細部まで人の手による丁寧な作業が見て取れます。
年々と高騰していく北欧ビンテージ家具ですが、使い捨てのものに溢れた世の中を思えばそれも止む無しと、こうして実物に触れていると改めて感じます。
実際にお家に迎えたら、チェアを真正面から見ることって実はそうそうありませんよね。チェア選びで特に気にして頂きたいのが後ろ姿。
後ろから眺めることで、ペーパーナイフチェアのメリハリのある輪郭がさらに強調されています。
カイ・クリスチャンセンにとって初期の作品ながら、今なお輝きを失わない名作のご紹介でした。
現在でも宮崎椅子製作所でオフィシャルに製造されているものの、チーク材仕様はビンテージのみ。希少価値の高い一脚ですので、永く大切にご愛用下さいませ。