Macrame Art
Wall Hanging
本当は絵画を飾りたくて、なんとなく探し続けてみてはいるもののなかなかこれだ!と思えるものに出会えません。
でも何もない壁は寂しいので、時計や鏡のほかにも手拭いやらビンテージのバンクバッグやら生まれ年のファブリックカレンダーやらを代わりに飾っているわけです。
そう考えると、どうやら布ものが好きみたいです。
ほっこりを放ちます
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そして、このファイバーアート(繊維素材を用いた立体作品)も例に倣ってひと目で心惹かれたアイテム。
交差して結ぶアラビア語のムクラム(格子編み)に語源をもつ、Macrame(マクラメ)という「結び」のアートです。
つぶらな丸い瞳に雫型の鼻、口は一文字の無表情であるにも関わらず、素朴な可愛らしさと温かみを感じさせるのはぼわぼわとした糸の質感のおかげでしょう。
額にはお花のような太陽のような紋章があしらわれ、民族的なフォークアートの要素も含んでいるように思えます。
マクラメ自体の歴史は古く、実は日本では正倉院に収められている文化財にも施されていたそう。なんと奈良時代です。
もちろんこの時代にあったのは今回のような大きな作品ではなく、紐を結って作られるいわゆるミサンガのようなものでした。
実は日常的に取り入れられていたマクラメが、アートとして注目を浴びたのは1970年代。その地位を確立させたのが、Don Freedman(ドン・フリードマン)というアーティストです。
すべてがハンドクラフトで製作された作品の数々は、現在でもコレクションアイテムとしてどれも収集価値の高いものばかり。
プリミティブから写実な風景や人物、可愛らしい動物や草木など幅広いデザインで生み出される彼のタペストリーは本当にどれも魅力的。
平面の絵画とはまた違った個性があり、アースカラーが主体となった落ち着いた色合いがインテリアにもぴったりだと思えるのです。
だからこそ、このウォールハンギングも氏の作品だと言い切りたかった。
少しだけ悔しさが残るのは、ドン・フリードマン作品に付いているという素焼きプレートやタグ、イニシャルの刺繍などのいずれの証も見つけられなかったから。
長い年月を経る中でその証がなくなってしまったり、何なら不要だと持ち主自ら取り外してしまうこともあるんだそうです。
なので今回は作者不明での販売。それでもこのアートから放たれるほっこり感と大きな存在感は間違いなく本物です。