Fritz Hansen
COAT TREE
ふとベンチに座って木を眺めているとき、「一体いつからここに生えているのだろう」と歴史の重みを感じる大木に出会うことがあります。
自分よりはるかに大きく、圧倒的な存在感があるのに、なぜだか見つめていると心がじんわりと穏やかになっていく。
あの「存在感」と「安らぎ」が同居する不思議な感覚は、一見矛盾しているようで、実はとても自然で、意外と身近な心地よさなのかもしれません。
今回ご紹介するのは、そんな自然の大木のような安心感を放ちながらも、空間を圧迫せず、機能性まで完璧にデザインされた「Fritz Hansen|フリッツハンセン」の名作ハンガーをご紹介します。
矛盾するような魅力、持っています。

1872年デンマークに創業、アルネヤコブセンのセブンチェア等、数多くの名作を世に生み出してきた老舗高級家具メーカー「Fritz Hansen|フリッツハンセン」。
インテリアオタクの方は勿論、インテリアに興味を持ち始めたばかりの方も一度はその名を聞いたことがあるのではないでしょうか。

そんな同社から、1971年に発表された、名前の通り木をイメージさせる美しいデザインのコートハンガー「COAT TREE|コートツリー」。
その完璧な佇まいは、世界で最も機能的かつ可動性に優れた名作ハンガーと称されています。

そして、その秀逸なデザインは建築家であり、家具やテキスタイル・デザイナーと多彩な顔を持つ、デンマーク生まれのデザイナーSidse Werner(シセ・ヴェアナー)によって誕生しました。

見る角度によって表情を変える有機的なフォルムの8本のスチールパイプ。
生き生きとうねる曲線の先端には、コロンとした丸い樹脂パーツがあしらわれ、まるで本物の木の枝を眺めているかのよう。

また、シルバーが定番とされる「コートツリー」ですが、こちらは独特の佇まいを見せる廃盤色のブラック。
白い壁を背景にすると、そのダイナミックな「うねり」のシルエットが美しく浮かび上がります。


しかし、美しいだけで終わらないのが名作たる所以です。
スチールパイプの途中にはフックが巧みに配置され、合計24箇所の収納スペースを装備。コートや帽子をたっぷり掛けられるだけでなく、冬にはクリスマスオーナメント、夏には七夕の短冊を飾るなど、季節のイベントを彩る「魅せる収納」としても楽しめます。


ダイナミックな躍動感と、どこまでも繊細なディテール。一見矛盾するような魅力を内包したこのコートツリーは、部屋にあるだけで不思議と心を穏やかにしてくれます。
実用的なハンガーとしてはもちろん、空間を引き締めるモダンなオブジェとしても圧倒的な存在感を放つ、まさに一生ものの逸品です。