Fritz Hansen
3101 Ant Chair
それほど奇抜なデザインでもないのに、なぜだか視線が釘付けにされてしまう。
このお店で働いていると、そんな経験がよくあります。
本日紹介するフリッツハンセンのアントチェアもそんなデザインのひとつでした。
有機的な曲線の成型合板と、生き物を思わせる細いスチール脚。
シンプルな組み合わせなのに、不思議と存在感がある椅子です。
シンプル。故に唯一無二。

デザイナーは、デンマークを代表する建築家のアルネ・ヤコブセン。
建物から家具、照明、金物まで、空間のすべてをデザインすることを信条とした人物で、アントチェアはその代表作のひとつです。

アントチェアが生まれたのは1952年。
同氏が手掛けた製薬会社の社員食堂のために軽くて扱いやすい椅子として設計されたのが始まりでした。当時としては珍しい、成型合板だけで背もたれと座面を一体に作るという発想。試作を重ねるなかで偶然生まれた形が、結果的にこの椅子の代名詞になっていきます。

アントチェアの代名詞ともいえる、背もたれのくびれ。
蟻を思わせるこの特徴的な曲線は、最初から蟻を意識して取り入れられたデザインというよりは、成型合板を立体的に曲げるために必要だった形だったそう。
実際に、この椅子が発表された当初の製品名は「FH3101」。
その後、スウェーデン人ライターの記事がきっかけで、アントという名前が定着したのです。
つまり、今では代名詞ともなっているこの特徴的な形も、必要なものを突き詰めた結果だったのではないでしょうか。

そしてそんなシェルを支えているのが、昆虫の脚を思わせる驚くほど細いスチール脚。
一見すると、これで大丈夫なのかと思ってしまうほど華奢なつくりですが、実際に座ってみるとしっかりとした安定感があります。
有機的な曲線を描く成型合板に対して、脚部は直線的で、必要最低限の存在感。
だからこそ、シェルの美しいフォルムがより際立ち、椅子全体も軽やかに見えます。
上から下まで、余計なものが何もない。
アントチェアの魅力は、こうした一つひとつの要素がシンプルにまとめられているところにあるのだと思います。

もちろん、見た目だけでなく、使い勝手にも無駄がありません。
成型合板で作られたシェルは、程よいしなりがあり、身体を受け止めてくれます。
また、スタッキングにも対応しているため、使わないときには重ねて収納することが可能。
細いスチール脚は床面を広く見せてくれるので、椅子を引いたときも圧迫感が少なく、掃除の際も楽ちんです。
軽やかな見た目だけでなく、軽く扱いやすく、収納もしやすい。
そう考えると、アントチェアはデザインを優先して機能を削った椅子ではなく、機能を突き詰めた結果、そのままデザインになった椅子なのかもしれません。

当店にはラッカー塗装された、ビビッドなグリーンのモデルも入荷しています。
ミニマルな造りだからこそ、これほど主張の強い色味でも不思議とうるさくならず、どこか落ち着いた洒落た雰囲気を醸し出しています。
形は同じアントチェアで揃えながら、ダイニングに1脚だけ違う色を取り入れてアクセントにする。そんな使い方も面白いかもしれません。
色違いの椅子を取り入れることで、いつものダイニング空間にほどよいメリハリが生まれ、見慣れた食卓も少し華やかな印象に変わります。

そして、このシンプルさが合わせるインテリアを選ばない理由にもなっています。
北欧ヴィンテージの家具と合わせるのはもちろん、モダンな空間や、少し無機質なインテリアに合わせても自然に馴染んでくれる。
主張が激しくないからこそ、周囲の家具を邪魔することなく、ひっそりとお部屋の質を高めてくれるでしょう。

シンプル、故に唯一無二。
ひっそりと、しかし、ちゃんと個性的な雰囲気のこの椅子は、どんな空間にもすっと馴染んでくれます。
何気なく置かれているだけなのに、そこにあることで空間が締まる。
そんな椅子が、家に一脚あったらいいですよね。
毎日の食卓に寄り添いながら、何年経っても眺めるたびに少し嬉しくなる。
そんな一脚と、日々の暮らしを過ごしませんか。































美しい北欧の名品
曲線が魅せる美しい曲木
時代を表現したポストモダン
感性を刺激するデザイナーズ
想いを馳せたスペースエイジ
魅力が詰まったレトロポップ
日本の民芸アイテム
やすらぎを感じるクラフト家具
ヴィンテージ家具の商品一覧へ
日本のヴィンテージ
米国のヴィンテージ
北欧のヴィンテージ
西欧のヴィンテージ家具
西欧のアンティーク家具
各国のヴィンテージ家具








商品保管サービスについて