フランスビンテージのチェア特集:愛着の湧く無骨さ

フランスビンテージのチェア特集:愛着の湧く無骨さ

フランスビンテージのチェア特集:愛着の湧く無骨さ

経年を纏う、本物のフランスビンテージ

改めてインダストリアルとは「工業的」という意味を持ち、元々工業製品として生産された機能性に優れた家具のことを指します。 そして、実用性と耐久性を重視した結果、無骨でラフなデザインが多く作られました。 例えば、学校や図書館、病院など、パブリックスペースでの使用を想定しているからこそ、傷などを気にせずにガシガシ使えるところが魅力だったりもします。 よく用いられる素材といえば、金属と木。どちらも経年変化によって風合いの変化を楽しめる素材。 今では工業系家具を基に、インダストリアルデザインやスタイルといわれる家具が定番化していますが、そんな既製品にはない時の流れだけが作り出せるビンテージの雰囲気が本物にはあります。

Pick up items (French Vintage Chairs)

今回ご紹介するチェア4脚は、全てHOUSE OF FER TRAVAIL(ハウス オブ フェール トラヴァイユ)という、世田谷区に店舗を構えるインダストリアル家具の専門店で前所有者が購入されたもの。 元々、抽象彫刻の彫刻家・向井良吉氏のアトリエがあった場所で、またその周辺地域では440年以上の歴史をもつ伝統行事「世田谷ボロ市」が開催されています。「古い物好き」が集まる街の趣ある建物では、主にフランスやベルギー等で買いつけた工業製品、家具、照明等を専門スタッフがリペア等を行いながら、重厚且つシックで大人びた鉄製品が販売され、現在でも人気を集めています。 私も個人的に行ってみたいお店の一つです。オリジナル家具の取り扱いもあるようですが、こちらは全てビンテージのお品物。インダストリアルやビンテージ家具好きにはたまらないチェアが揃っています!

Bienaise Work Chair

1921年フランス創業のインダストリアルメーカー、BIENAISE(ビエネイズ・ビエネーゼ)製のワークチェア。回転ネジ式による座面の高さ調整に加え、背もたれの角度&高さ調整の出来るアナログなギミックが魅力的な一脚です。 脚部はキャスター付きではなく、より安定感のある床に固定するタイプとなっており、当時製図やミシンなどの業務用に作られたものかと思われます。 角が削られて丸くなったプライウッドの味わい。金具には経年の錆びが見られるものの、全ての機構がスムーズに動作しますので、今後も雰囲気を楽しみながら使い続けることが出来ます。

Mullca 510 Chair

1947年フランス創業のインダストリアルメーカーで学校用に椅子やデスクを製造していた、MULLCA(マルカ)製のスクールチェア。中でも代表的な510モデルは、ビンテージ市場でも人気があり、2009年にはLa 510 Originaleという名前で復刻を果たしています。 世界各国で作られる学校椅子は、どれもシンプルなデザインでありながらも、その国特有の個性があって面白いですよね。 こちらは、スチールパイプとプライウッドによる柔らかなラインが印象的。実際にフランスの学校に通っていたわけではないけれど、どこか懐かしさを感じるレトロな佇まいに惹かれます。小ぶりで場所を取らず、そのまま飾るだけでも様になりそうです。

Metal Stacking Chair

スチールパイプのみのシンプルなスタッキングチェア。トリックスのビンテージチェアに似ていますが、メーカーの特定には至りませんでした。 先ほどのスクールチェア同様、軽量でスタッキング出来るといった、非常に扱いやすいところが魅力。 溶接部は、少し不格好で正確さに欠けているところが無骨で愛嬌があって面白いです。そして特に注目して頂きたいのが、それに被せて補強している継ぎ目の真鍮ろう付け跡。ゴールドのスポットがさり気ないアクセントになっています。

Metal Garden Chair

こちらのチェアに関しても詳細は不明ですが、一つだけフェール トラヴァイユさんのインスタに「ただただ美しい椅子」というコメントを添えた投稿を見つけました。 デザインを見るに、ガーデンやテラスなどで使用されていたものではないかと思われます。曲げ鋼管(スチールパイプ)とはまた違ったアイアンならではの重みがあり、座面の鉄板のテクスチャーがたまりません。 実物を見る度にインスタのコメントを思い出し、本当にそうだなと納得させられるエレガントな美しさがありますね。

Others ( Factory Lamps )

そして、最後におまけでご紹介させて下さい。こちらも同じくフランスビンテージのお品物で、工場やガレージなどで実際に使用されていたファクトリーランプです。 現役の照明として活躍してくれるのはもちろん、ディスプレイや店舗什器として無造作に置いておくだけでも映えるアイテム。ちなみに、重量のある照明器具となりますので、天井補強工事が必要な場合があります。お取り付けは十分に注意して行ってください。

最後に

それぞれの個性に気付いて頂けたでしょうか。噛めば噛むほど味が出ると言いますが、ビンテージ家具も見て触れて使ってを繰り返す度に発見があって面白いです。 私も最近ビンテージのスクールチェアを購入しプランター台として使っているのですが、椅子としてだけでなく、インテリアとしてその空気感を楽しむというのも良いものです。 本物でしか味わえないビンテージ家具の魅力を、是非ご自宅でお楽しみ下さいませ。
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