FOSCARINI
Tite2
世界的なインテリアブランドが数多く軒を連ねるデザイン大国イタリア。
"アッキーレ・カスティリオーニ"の立ち上げた「フロス FLOS」や、プラスチック素材を巧みに使ったデザインが特徴の「カルテル Kartell」などアーティスティックな魅力にあふれるプロダクトを多く輩出していることで同国は知られています。
本日はそんなイタリアが誇るモダンデザインから、構造の美しさが光る照明をご紹介いたします。
機能が成した形
水の都として知られるヴェネツィアで1981年に設立され、洗練された照明デザインを手掛ける「フォスカリーニ FOSCARINI」。
13世紀ごろから伝統的に続くムラーノガラスの技術を守りながら、醸成された吹きガラスの技術を応用したランプを制作していました。
その後様々なデザイナーと協働する中でポリエチレンを用いた"ジョゼフ・フォラキス"の「ハバナ Habana」や、スポークを組み合わせてシャンデリアを模った"トム・ディクソン"の「ライトウェイト LIGHTWEIGHT」などガラス以外の新たな素材を使ったプロダクトにも挑戦し、その芸術性あふれるデザインで高い評価を得ています。
そんなフォスカリーニから2000年に発表された「ティテ2 Tite2」ペンダントライトは、細身のシェードに細やかな白黒のストライプが描かれたモダンな風合いのデザインです。
シャープでスタイリッシュなシェードは一見するとガラスのように見えますが、半透明のFRPに黒いカーボンファイバーを織り重ねた構造となっています。
FRPをカーボンファイバーで補強することによりガラス製のシェードと比べて柔軟かつ耐久性に優れ、圧倒的な軽量化にも成功。
そんな構造がこのストライプのデザインに表れたまさに機能美あふれる逸品です。
デザインを手掛けたのはオーストラリア出身のデザイナー「マーク・サドラー Marc Sadler」。
自身のルーツでもあるフランスで樹脂素材に関する研究を行い、1970年代にプラスチック製のスキーブーツをデザインしたことがきっかけとなりナイキやプーマといったスポーツブランド、更には「フロス FLOS」や「カッシーナ Cassina」といったインテリアの分野でも活躍するデザイナーとなりました。
光を灯すとグラデーションのようにシェードが照らされ幻想的な光が広がるティテ2、FRP特有のシャープなエッジが切り立ったシルエットは、点灯していない時でもインテリア空間にモダンな雰囲気を演出してくれそうです。
このティテ2は高さ55cmシェードに加えてコード長は150cmまであるため、もしコードをまとめなければかなり低い位置で吊るすことになります。
しかし、そうした使い方も様になってしまうのがこのライトの面白い所。
ソファやデスクの横に吊るすとフロアランプのようなスタイルに早変わり、加えて上から吊るしていることで浮遊感のあるレイアウトになってくれます。
素材の特性を熟知しているからこそ成し得たデザインが秀逸なフォスカリーニの「ティテ2 Tite2」。
シンプルながら狂いのない繊細な造形や樹脂素材ならではの光の広がりがお楽しみいただける一台です。
ミッドセンチュリーや北欧スタイル、シックなモダンテイストなど様々なスタイルのお部屋に合わせやすいアーティスティックなアクセントとしてぜひご検討ください。