VARO,S.A. VALENTI
Caquetoire Chair
本日は、スペイン・バルセロナの最高級家具ブランド "バロッサ バレンティ VARO,S.A. VALENTI " の「カクトワール Caquetoire アームチェア」のご紹介。
バロッサ バレンティは1798年創業という世界でも指折りの老舗店、世界中のセレブやインテリアファンから憧れを集める存在として有名です。
その伝統と気品溢れる一脚を、是非ご覧になっていってください。
誇り高き芸術品。
創業当時は優れた金銀細工工房として、時にスペイン国王への献上実績をも持つほどに、欧州で最も卓越した職人技術を有する事で知られたバロッサ バレンティ。
18世紀から続く長い歴史の中で培われてきた匠の業とその知見の深さは家具作りにおいても遺憾なく発揮され、16世紀から18世紀に渡って欧州で作られたを家具様式を基軸に、革新的且つ普遍的なアレンジを加える事で"バレンティスタイル"という独自のスタイルを確立しました。
その特徴は、"歴史ある熟練の業から生まれた洗練の極み" とも言い表される 唯一無二の存在感。
こちら「カクトワール Caquetoire チェア」は、そんな同社のエレガントさが心地よく現れた一脚となっています。
緩急ある広がりを見せる特徴的なシートの形状は、かつて上流階級の貴婦人がドレスの型を崩さぬまま座る事ができるようにとデザインされたもの。
別名「貴婦人のおしゃべり椅子」と呼ばれており、社交文化が中心にあった欧州の歴史を垣間見ることができます。
僕がこのチェアを見て非常に優れていると感じた点は、フレームに施された優美なモールディングや、木彫の表情。
デザイン自体はシンプルなものとなっていますが、その仕上がりからはまるで大理石を想わせるような重厚感や荘厳さが漂っており、これを単なる"木工技術によるもの"と表現するのは何かが違うような気がしたのです。
デザインに忠実に高精度に削り出され、木肌の風合いを引き出す為に必要最低限の磨き工程を経た木製家具。これも極上の職人業によるものなのですが、こちらは何処かヴァイオリンの渦巻き部分にも見られるような、職人の個性そのものが感じられる仕上がりというのが近い表現になります。
このような表情はアンティーク家具や彫像作品、シルバー製品等にも見られ、深い魅力が感じられる貴重なポイントではないでしょうか。
使用されている木材も特徴的な質感です。
こちらは素材に世界三大銘木の一つ"ウォールナット(クルミ)"が使用されているのですが、僕が今まで見てきたウォールナットとはその素材感が異なり、軽くノックしてみると、やはり大理石のような"コトン"とした質感。
木目も非常に綿密で、色味も独特な鮮やかさがあります。
"キューバン・マホガニー"等に代表されるように、古くから"世界三大銘木"として珍重されてきた木材というのは現在と昔ではその産地や質感が全く異なり、このウォールナット材についてどのようなものなのかは情報が得られませんでしたが、非常に興味を掻き立てられる材質となっていました。
シートにも贅沢な自然素材が使用されています。
背面から見たレザーの表情がなんとも力強いですね。
非常に堅牢な銀面を持つレザーが使われており、その両端には職人が一つ一つ打ち込んだ真鍮製の鋲が並びます。
全体のフォルム自体はクラシカルかつ立体感に富んだ大変バランスの良いものとなっているのですが、このチェスターフィールドを彷彿とさせるディティールが装いとしてプラスされる事で、ぐっとスパイスの効いた佇まいに。
さらっと綴りましたが、非常に高度な匠の業が必要とされるこの仕様。
チェスターフィールドの本場であるイギリスでも熟練の職人でないと製作する事は叶わず、特別なディティールとなっております。
優美で活き活きとした、まさに唯一無二の "バレンティスタイル" な一脚。
実際に座ってみるとシートがとってもふっくらとした厚みで、更に身体の回りにゆとりがある事でまったりと寛げる座り心地となっています。
ダイニングシーンには勿論、実際にドレスを扱うお店等、クラシカルなデザインを活かしたインテリアとしても申し分ありません。
特別な一脚をお探しの方へ、是非この機会にご検討いただければと思います。