Herman Miller
Platform Bench
’’これ以上何かを足す事も、削る事も出来ないデザインこそが完璧なデザイン’’。
インテリアデザインの中にはそんな言葉を体現するかの様な名プロダクトがいくつもありますが今回ご紹介するこちらもその内の1つで間違いないでしょう。
とりわけ時代を問わず普遍的な名作が生まれたミッドセンチュリーデザインのアイテムのなかでも一際存在感を放つ名プロダクトです。
足すことも削る事も必要ない
「ミッドセンチュリー」「デザイナー」と検索すると先ずトップにでてくる「ジョージ・ネルソン George Nelson」。
アメリカにおける20世紀後半のインテリアデザイン界を牽引し、後世のインテリアデザイン史に多大な影響を与えた偉大なデザイナーです。
「スワッグレッググループデスク」、「マシュマロソファ」、「ココナッツチェア」等、既成概念に囚われない数々の歴史的名作達はインテリアデザイン界に大きな革命を起こしました。
誰もが知る「ハーマンミラー Herman Miller」社では初代にして20年間に渡りデザインディレクターを務め、当時まだ無名であった「イームズ夫妻」や「イサムノグチ」の才能を早くに見出し、開花させた人物としても知られています。
彼なくしてこれほどまでミッドセンチュリーデザインが世界中で愛される事は無かったかもしれません。
そしてこちらが彼が1946年に発表した「ネルソン プラットフォーム ベンチ Nelson Platform Bench 」。
発表されてから80年近く経った現在も、「ネルソンベンチ」という愛称で親しまれながら、ミッドセンチュリーのモダンデザインの象徴として世界中で愛され続けている名作中の名作です。
当初は彼のオフィス用に作られたもので、その目的は’’来客を早く帰らせるため’’に細い板座でリラックス出来ないようにとデザインされましたが、その快適な座り心地に座った人たちがなかなか腰を上げなかったという有名な逸話があります。
しかし皮肉にもその敢えて座り心地を悪くする為の格子状の座面は、ネルソンベンチの最大の特徴になっています。
座面の木材にはメイプル材を用いており、接合面をジグザグに加工して接着剤で接合する"フィンガージョイント"という方法で組まれており、すっきりとした見た目と優れた強度を実現しています。
さらに脚部の黒塗装を施したウッドレッグがコントラストとなっており、シンプルかつモダンなデザインはいつまで眺めていても飽きる事がありません。
今回入荷したのは幅122cmのサイズ。名前にベンチと付いていますが、センターテーブルやディスプレイ用のラックとしても活躍してくれる汎用性の高さがポイントです。
どちらかと言うと雑誌やSNSではセンターテーブルとして使われているシーンをよく目にする機会も多い印象です。
一切の無駄を削ぎ落したデザインだからこそ、どんなインテリア空間にも馴染んでくれ、オフィスや店舗の什器としても充分にその存在感を放ってくれます。
ミッドセンチュリーデザインを代表するアイコニックな「ネルソン プラットフォーム ベンチ Nelson Platform Bench 」。
ちなみにこのベンチはハーマンミラーのコレクションに加わったネルソンの最初の作品でもあります。
正にジョージ・ネルソンのというデザイナーの代名詞とも言える名プロダクト。
きっとこの先も数多くのデザイナー達がこのネルソンベンチを目標に様々なプロダクトを生み出していくことでしょう。