Herman Miller
Eams Desk Unit
プラスチック、金属、そして積層合板。
あらゆる場所で見かけるこれらの素材は、元々家具に使われる素材ではありませんでした。
家具は木製が当たり前。
そんな時代にこれまでの常識や素材の壁を軽々と越え、軽やかな家具を作り上げたデザイナー夫妻がいました。
20世紀のデザイン業界を牽引し、そして後のデザイナー達に大きな影響を与え続けた2人。
「グッドデザインを安価で誰にでも」という理念は世界中で愛され使われ続ける名作に形を変えます。
本日紹介させて頂くのは偉大なデザイナー夫妻、“チャールズ&レイ・イームズ”が遺した名プロダクト「イームズデスクユニット」です。
リズムを持つ家具
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デザインはより良い世界をつくるためにあると考え、機能性や合理性を備えたデザインを追求したイームズ夫妻。
プライウッドにいち早く注目し、それらに圧倒的なデザイン性と使い心地を与えたことでも知られています。
それまでのデザインが頑固で形式ばって映るほど明快で軽やかなイームズ夫妻のデザイン。
それらは現在でも名作として親しまれ様々なシーンで見かける事が出来ます。
イームズ夫妻の手掛けた代表的デザイン。
誰もが知る名作アームシェルチェアが生まれる約一年ほど前、イームズ夫妻はある画期的なデザインを発表します。
1949年にデトロイト美術館で行われた展覧会に向けてデザインされた「ストレージユニット」。
“モジュール方式”や“ハイテク”という言葉がまだ業界で使われる以前、イームズ夫妻はモダンな美を実現するため、自身が設計する製品に工業生産技術を取り入れました。
これはあまりにも画期的な出来事だったそう。
ストレージユニットはイームズ夫妻の洞察力と圧倒的なセンスを知らしめました。
ストレージユニットの特長である工業生産技術を取り入れた特徴的な造形を受け継いだデスク「イームズ デスクユニット」。
今回ご紹介させて頂くこのデスクユニットはストレージユニットと同時期に発表されました。
広々とした作業スペース。
大容量を誇る収納スペース。
すっきりとしたオープンスペース。
それらを兼ね備えた機能的なアイテムです。
ですが、ストレスレスな作業スペースを確保したデスクユニットの魅力は実用面だけではありません。
プライウッドの天板、ジンクフレームのシルバー、そしてレッド、ブルー、イエロー、ブラック、ホワイトのハードボードパネル。
一見アンバランスな組み合わせはハイセンスな配置と素材選びによりあまりにも魅力的なアイテムへと昇華されています。
ポップなカラーの配置はまるでモンドリアンの絵画の様。
リズムすら感じさせる見た目の良さはまさにイームズデザイン。
彼らの軽やかさを体現した名作といっても過言ではありません。
これらが発表された1949年のデトロイト美術館の展覧会。
完成されたばかりのプライウッドチェアやアームシェルチェアと共にストレージユニットとデスクユニットは並びました。
この展覧会にストレージユニット、デスクユニット誕生のきっかけが隠されています。
新作でオフィス空間を作り上げ発表したたイームズ。
それらの脚元にはなんと、日本の茣蓙(ござ)が敷かれていたそう。
工業製品の美しさを体現したデザイン。
ストレージユニットとデスクユニットの特徴的な構造は日本の和箪笥の影響を受けていたという文献が残っていました。
圧倒的なデザイン力は全てに宿っているようです。
イームズ夫妻の洞察力と創造力の素晴らしさを感じさせてくれます。
既成概念に捉われない独自のデザイン哲学を掲げた2人。
世界をより良い場所に変えたいという願いが素晴らしい時間を作ってくれます。
日常品として考えられ、実用的でありながら美しい。
偉大なデザイナー夫妻が手掛けた、リズムある傑作のご紹介でした。