Hans Coray
CORAY CHAIR
欲しい物のデザイナーやブランドだったり、その物の情報が分からないと、価値が分からず不安になる事がありませんか。
しかし、そういう付加価値に捕らわれず、その物自体の価値で良し悪しを判断したいですよね。
今回ご紹介するのはデザイナーも作品も、日本では知名度が低くあまり情報もありませんが、一目見ただけで、これは名プロダクトだ!と納得させられてしまうチェアです。
隠れた名作
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ハンス・コレーはスイス出身のプロダクトデザイナーです。
ダダイズムのアーティストや、コンクリ―トアート運動に参加していたマックス・ビルなどとも親交が深く、彫刻家や画家としても活躍していた人物。
1930年代には独学で金属とワイヤーの加工に取り組み始め、その技術を家具、工業製品、彫刻に応用しました。
その技術を活かして、1938年には彼の代表作である”ランディチェア”を製作しています。
”ランディチェア”は1939年に開催されたスイス国際博覧会の為に製作されたチェア。
博覧会で使用する機能も美観も優れた屋外用のチェアを依頼され、アルミニウムにパンチング加工を施したデザインが考案されました。
その後パンチングのデザインが受け継がれ、誕生したのが、”コレ―チェア”。
1953年にデザインされた”コレ―チェア”は1950年代には家具のデザインを辞めてしまったハンスコレー氏の集大成の様な作品になりました。
彼はその後、絵画と彫刻の世界に身を移しています。
この椅子を初めて見た時、プルーヴェが自邸の建材としても使用していたパネルを思い出しました。
アルミニウムにパンチング加工されたデザインがそっくり。
あまりの細さと軽量感から座り心地の良さを疑いましたが、実際に座ってみるとしっかりと背面がしっかりと身体を支え、ビクともしませんでした。
アルミニウムは錆にくい性質を持っており、屋外用のチェアにピッタリ。
パンチング加工により水が溜まる事も無く、雨の日でもそのまま外に置いておくことが出来ます。その他にも通気性が高く、熱が籠らないので、プールサイド用のチェアとしてもお使い頂けます。
現在でも購入できるモデルで、カラーバリエーションを増やしたり、アームが付いたモデルがあったりと、70年前のデザインでありながら現在でも人気を誇っています。
しかし、ビンテージならではの良さがあるのも事実。経年変化したアルミが魅せる表情はとても魅力的です。
ミニマルで洗練された機能性が美しい名プロダクトでありながら、日本での知名度は低い一脚。
製造から70年経つ今でも生産されている事から、優れたプロダクトであることが分かります。
機能的にもデザイン的にも優れているけど、人とは被らない物が欲しいという方におススメです。
是非ご自宅に取り入れてみたはいかがでしょうか。