Danish Vintage
Nest Tabel of Teak
湿気は高いままなので動くと暑いのは変わりませんが、本日は日差しもやや弱く過ごしやすい一日です。
歩いていたり、バスから窓の外を眺めると目に入るのはアゲハ蝶。
夏の暑さと共に訪れる生き物の模様を見ていると、ふと今日ご紹介のアイテムの事を思い出してしまいました。
規則正しさと、機能性と
今回はサイドテーブルの派生とも言える家具、ネストテーブル。
高さは大体50センチ程でチェアに腰かけた際アクセスがしやすいものが多いサイドテーブル。
あとは1~2人程のスペースがあれば用途としては事足りるため、デザインの制約は少なめ。
それゆえに素材やデザインも豊富で、多くのバリエーションから選ぶ楽しみがあります。
ホテルにあるような、欧米のエレガンスを楽しめるもの(ナイトテーブルなんかもそうですね)。
ワイヤーロッドやスチールを使ったミッドセンチュリーデザイン、鋳鉄を使ったフレンチなものやインダストリアルなものもありますね。
今回はデンマーク、北欧の国のビンテージアイテムです。
"北"という字が入っている通り、高い緯度に位置する国では冬場の日照時間が少なく、多くを過ごす事になる家の中を彩るアイテムに多くの情熱が注がれてきました。
そうして磨かれた暮らしを見つめる力に、当時豊富であった森林資源、ギルドやマイスター制度といった技術継承や経営をサポートする仕組み、技術の進歩による加工技術の高まり、名作を範に現代の暮らしに合わせ蘇らせる「リ・デザイン」という手法。
様々な要素がひとつになり、ミッドセンチュリーと呼ばれる時期には多くの工房や工場がしのぎを削り名品が生まれていたのです。
この時期の特徴でもある素材、チーク。
濃すぎず、淡過ぎない中庸なブラウンカラーは血が通うような温かみのあるものです。
東南アジア原産のチーク材は乱獲により現在は伐採が規制されており、良質なチークの表情はビンテージならではと言えそうです。
さて、後に引き延ばしておりましたがやはりその特徴は3連である事。
少しずつスケールの異なるテーブルたちは、大きいテーブルの内側に綺麗に収まります。
これによってとても大きなメリットが生まれます。
(※大きい方のテーブルから順番に並べています。)
まずは、とても効率が良い事。
椅子の横にサイドテーブルを用意するのは実は中々に贅沢な事なのですが、その1台分のスペースで3台分のテーブルを用意できるのです。
これによって1台欲しい場合はそのままコンパクトに、来客用にとっさのスペースが欲しい時には展開と、どんなシチュエーションにも対応できる「余裕」が生まれるのです。素敵ですね。
そして、スケールが異なるだけのテーブルが連なる事で生まれるのは「連続性」。
見た目の印象を崩さず、使い易く。
全く同じ物を作る事は難しく、また人の目を欺く事が難しいからこそ、生まれた連続性の美しさは心を奪います。
長辺側はわずかにふくらみ、ストレートな見た目に柔らかさを加えた3連のテーブル。
水の波紋のようにリズムを作り出すネストテーブルはディスプレイも楽しくしてくれそうです。
自然に偶然生まれた連続が美しいと感じるように、アゲハ蝶が拡げる左右対称な羽に心奪われるように。
暮らしを丁寧に見つめたデンマークの人々だから出来上がった、素敵なビンテージの1台です。
お部屋を確かに支える名脇役をお探しの方は、この機会に是非いかがでしょうか。