Skovby
SM09 Dining Table
「デンマーク近代家具デザインの父」としてオーレ・ヴァンシャーやボーエ・モーエンセンなど多くのデザイナーを育てた、Kaare Klint(コーア・クリント)が活躍した1930年代のデンマーク。
時を同じくして、郊外のスコウビー村では村人のためにオーダーメイドで家具を制作するある小さな工房が開かれました。
Skovby(スコービー)社。1933年の誕生から約90年が経った今でも、製材から完成までの工程をすべてデンマーク国内の自社工場で行う、クラフトマンシップに溢れるメーカーです。
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創業者、ソーヴァルド・ラスムッセンが作り上げた持続可能で機能的な家具デザインは、息子へ、そして孫へ。会社そのものだけでなく家具作りへの情熱も一緒に引き継がれました。
やがて「World Furniture」というコンセプトのもと、小さな村から広い世界へと焦点を広げていくこととなります。
特に力が注がれたのが、伸長するテーブル。今では、スコービーの代名詞となるほど豊富なラインナップを誇ります。
その中で、“ 伸長しないテーブル ”というのは同社の中では、逆に珍しいデザインかもしれません。
日本国内では、ACTUS(アクタス)で取り扱いのあったこちらのSM09。伸長機能のないダイニングテーブルです。
現在は、同じ見た目で収納式の伸長天板が追加されたモデル#11が展開されていますが、その元となった#09は残念ながら既に生産を終了しています。
直線を基調としたすっきりとしたフォルムを退屈にさせすぎない傾斜したくさび形の脚。ビーチ材の軽やかな白い木肌にクリーンなコントラストを与えるホワイトラミネート天板。
機能がないからこそ高いデザイン力をダイレクトに味わうことができる、洗練された佇まいが印象的です。
そして、流行に左右されることのない北欧モダンは、合わせる椅子を選びません。
天然素材の色味を活かしたウッド色ならよりナチュラルに、ベースが白だからこそ映えるさまざまなカラーならよりポップに、くっきりとしたコントラストを生むブラックならよりシックに。あえてデザインの異なる椅子を並べるのもおもしろそうです。
機能拡張システムの先駆者として、デザイン性と機能性を融合させてきたスコービー社。
世界中でその名を知られるようになった今でも、ライン生産を導入する傍ら仕上げは手作業にこだわっているというのだから驚きです。
クラフツマンの生み出す家具が美しいのは、一切の妥協を許さない揺るぎない情熱があるからこそなのかもしれません。