Japan Vintage
Butterfly Table
まだ寒い。まだ寒いですが、2月も半ばを過ぎて春のはしりが見え始めているような気がします。
梅はもう咲き始めるでしょうか。桜のつぼみが少しずつ太って、色づいてくるのを楽しみにしています。
欧米の文化を受け入れて、その生活様式が当たり前に感じる現在。
世界は広く、様々な人に響く主張を日本にいながらにして享受できる今は良い時代と言えると思います。
しかし言い換えれば情報通信技術の進歩は、世界中の人々がみな同じようになってしまう可能性があります。
ここで、ちょっと前の日本で作られたテーブルをご紹介。
今と昔で何が違うのか、日本らしさを少しでも感じて頂ければ嬉しいです。
脚は長くなり、背も高くなった
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今回はバタフライテーブル。
蝶のように天板を開閉する事で、天板のサイズを柔軟に変更できる優れた機構を備えています。
天板を拡張する機構は様々なものがありますが、バタフライテーブルの特徴は最小にするとコンソールテーブルほどの幅に収められる事。
今回のテーブルは幅27センチ(天板幅は22センチほど)。テーブルを支える骨太なフレームが中心にある事で可能な仕組みです。
これがドローリーフタイプならば、真ん中の天板より大きな補助天板は付けられず、真ん中に補助天板を付ける伸長タイプならばフレームのサイズによって制約を受けます。
場所を取らずに便利に使う、その1点においてはとても優秀な仕様なのです。
拡げた天板は、その下にゲートレッグと呼ばれるつっかえを差し入れる事で固定します。丁度良い高さでとめられるように天板下にはコマがつけられていますね。
片方を拡げ、片方を仕舞った状態で壁に付ければ即席のデスクのような使い方も出来ます。
ゲートレッグのテーブルはイギリスのアンティーク家具に良く見られる仕様です。戦後から欧米、とりわけ英語圏の文化を貪欲に吸収していた日本にとって、舶来ものであった家具はとても貴重なものでした。
そのため自国でも洋家具を作る事が出来ないか、多くの企業、職人そしてデザイナーが奮闘しました。
当時の最高である「クラシック」に日本が追いつくために、天板のカドを無垢材から削り細かなディティールを再現。
そして日本の人が使いやすいように高さは70センチと抑えめに。木材はオーク材ではなく、一生モノと安心を感じられるように目の詰まった丈夫なものを。
これからの未来のために、取り入れる文化を自国のものとをすり合わせ、考え尽くされたアイテム。
その美しい折衷のカタチは年月を過ぎてもアイテムに残り、私たちを惹きつけます。
傷もあり、反りもありますが、神経質にならずにしっかりと使ってゆける懐のあるジャパンビンテージ。
時代が変われば同じようにものをつくる事は出来ません。
今を歩く私たちの後ろに残った結晶の一つ。使いでのあるテーブルをお探しの方はどうぞこの機会にご検討下さい。