Charlotte Perriand
CP1 Wall lamp
産業革命やそれに伴う科学技術の発展に呼応するような形で1920年代に沸き起こったモダニズム運動。
装飾を取り払い、洗練された狂いのない形の中に存在する美は今日のモダンデザインへ綿々と受け継がれてきました。
モダンデザインを代表する人物と言えばミース・ファン・デル・ローエやル・コルビュジェ、フランク・ロイド・ライトなどが挙げられますが、今回はその中でもコルビュジェと関わりの深い、あの人物の手掛けた希少なアイテムが入荷いたしましたのでご紹介します。
狂いのない造形
ル=コルビュジェやピエール・ジャンヌレと並んでLCシリーズを手掛けたことで知られるフランスのデザイナー「シャルロット・ペリアン Charlotte Perriand」。
洗練されたモダンデザインで知られる同氏は両親の影響もあり早くから芸術に関心を寄せていました。
そんなペリアンは10歳の頃、入院した病院の白い壁と家具の少ない簡素な空間を目の当たりにし「空間の余白」に着目するように。
1927年のサロン・ドートンヌで発表した「屋根裏のバー」と題したインテリアデザインがコルビュジェの目に留まり、弱冠24歳にして同氏のアトリエで活躍するデザイナーとして広く知られるようになりました。
そんなシャルロット・ペリアンですが、第二次世界大戦が終結したのち約20年以上にわたって手掛けたプロジェクトが存在します。
LCシリーズと並んで同氏のもう一つの代表作とも言える、フランス・サヴォアに建設されたレザルクスキー場。
その期間は1961年の構想から1986年まで続き、中でも有名なレジデンスである「La Cascade」の設計やその中で使われたチェアや収納などの家具、さらにはプレハブのバスルームなどの内装に至るまで多くのデザインを手掛けました。
「CP1 ウォールランプ」もそのうちの一つ、1963年にデザインされたこちらは元々ペリアン自身がベッドに入りながら読書するために設計されましたが、レザルクの居室にも用いられたことで知られています。
一見すると壁材の一部にも見えるほどにシンプルな造形、間接照明として構造上必要最低限の機能のみを備えた一基。
シェードの両脇から光が広がる温かみのある光と無機質なスチールプレートのコントラストがシックな風合いです。
スチールプレートを加工して組み合わせた非常に簡素な構造ですが、シェードの角度が自由に変えられるようになっており光量をシチュエーションに合わせて調整できるようになっています。
シンプルな形状が光と影を作り出すことで、洗練されたアーティスティックな機能美が光るデザインです。
本来であれば壁面に直接取り付けるため電気工事が必要なCP1ですが、今回はコンセントプラグをお繋ぎしてのご提供。
配線がACアダプターに変換されているため、ご自宅のコンセントにつなげればすぐにお使いいただけます。
シャルロット・ペリアンの合理的な構成が機能美と陰影のコントラストを引き立てる逸品。
ウォールランプとしてはもちろん、そのままデスクの上にレイアウトしてデスクランプとして使ってみるのも面白いかもしれません。
現在も同様のランプは販売されているものの、CP1として存在するのはビンテージアイテムのみとなっており中古市場でしか見られない希少な一基です。