Kartell
STONE STOOL
今日は時おり、濡れるような細かな雨がしっとり降っておりますが、皆様ご機嫌いかがでしょうか。
雨が地面を濡らし雲が日差しを隠しているおかげか、気持ち過ごしやすい気温になっています。
昨日は風が強く雲がほどけてゆくような夜でした。月も強く輝いて光の環が綺麗でつい見入ってしまうほど。
台風が近付いている様ですのでちょっと不安ですが、出来る備えをしてゆきましょう。
日々の暮らしの中でちょっとした時に顔を見せる、月の光のような印象的な瞬間。
今回ご紹介のスツールはそんな一瞬を与えてくれる1脚です。
こころきらめき
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今回はカルテル社からストーンシリーズのスツール。
カルテル社は1949年、イタリア北西部のロンバルディーア州に創業し現在も続く老舗のメーカー。
プラスティックファニチャーに掛けては最先端にいると言っても過言ではなく、早くは創業者のパートナー アンナが手掛けた近未来な収納コンポニビリからフランスの鬼才によるラマリーやエロエス、イタリア巨匠による歴史的アイテム等、書ききれない程多くの名品を手掛けています。
ストーンはオランダ出身のプロダクトデザイナー、マルセル・ワンダースのデザイン。
家具としての機能はもちろん、使う側が思考させられるようなメタファーを内包する、新しい価値を生み出す運動「ドローグデザイン」において最重要とされる人物です。
氏が手掛けたのは言ってしまえば単なる腰掛けの設計。
では、出来上がったものはどんなものになったでしょうか。
話は少し逸れますが、現代ではスツール一つ取ってもいろんな種類が存在します。
パッと思い付くものでもスツール60のように垂直方向に重ねて複数脚が収納できる機能的なもの。日本の剣持スツールも同じカテゴリーに入りますね。
アフリカ等で暮らす部族が無垢材や切り株から彫りだす、権威的な意味合いも持つプリミティブなスツール。
移動しながら暮らす遊牧民や狩猟を行う人々が用いる、折畳みのハンティングスツールなんてものもありますね。
いずれも素敵なアイテムですが、あくまで腰を掛けるアイテムの外側に出るものではありません。
このスツールを初めて見て、腰掛ける家具だと迷いなく言える人は思っているほど多くは無いと思います。
そうたらしめているのはその素材から。私たちが普段使いに出来る強度があり、透明度の高いポリカーボネート樹脂。
宝石のカッティングを連想させる規則正しい造形によって透き通る光はプリズムのように煌めきます。
一体成型で自由に形を作れるプラスティックファニチャーのメリットを存分に生かしたアイデアです。
ただ見ているだけでも楽しい、というのは言い過ぎでしょうか。
ただ置く、ただ腰掛ける、サイドテーブルや花台のようにただ飾る。
複数個あればただ重ねるだけで人の目線を惹きつける魅力を発してしまう。
単なる腰掛けが悪意なく放つ、ある意味「魔性」。
一つ一つはシンプルなアイデアですが、これをまとめ上げ、形にした手腕には素直に敬服するしかありません。
重さも2.5kgと持ち運びにも苦労しない取り回しの良いスツール。
カルテル社がホームページで発表している半期ベストヒットランキングでも常に上位に入る人気のアイテムです。
スツール以上の価値を持った、デザイナーズプロダクト。
輝きに惹かれた方は、この機会に迎え入れてみてはいかがでしょうか。